Sightsong

自縄自縛日記

サナイ方面の清志郎、多部未華子、蒼井優

2009-06-27 22:55:00 | 写真

太田出版では献本をインターネットで行いはじめたようで、忌野清志郎が表紙になった『本人』vol.10もアドレスをメールで頂き、パソコン画面で読んだ。(>> リンク ただし6月中)

「ロックで独立する方法」という、読み手の気分を高揚させるような2001年の清志郎の文章が掲載されている。それはともかく、佐内正史による清志郎の写真が何枚もあって、相変わらず巧い、というか、単純に良い。独特の間の取り方というのか・・・。ピンボケも含め、中判ならではの被写界深度の浅さが効果的。いまでは佐内写真を毎週のようにどこかで目にするほどだが、私は、『季刊クラシックカメラ』のペンタックス特集号(2000年)で、ペンタックス67を使った結婚式の写真を観て、はじめてこの写真家の存在を知った。

最近、毎日NHKの連続ドラマ小説『つばさ』を観ている(笑)。このオープニング画面も、最初、「なんだかサナイ方面だなあ」と思ったら本当にそうだった。特徴のひとつであるハイキーが独走していて、多部未華子の雰囲気を作り上げている。であるから、アンジェラ・アキの歌は趣味でないのに我慢してとばさず観る。

佐内正史の写真集はとくに持っていないが、蒼井優を撮った『BRUTUS』2006/12/15号は何となく大事に棚に入れている。これも雰囲気からしてペンタックス67だろうね。家族写真でもこんなのが撮れたら最高なのだが、そうはいかない。


大城美佐子&よなは徹『ふたり唄~ウムイ継承』

2009-06-27 00:36:54 | 沖縄

大城美佐子&よなは徹『ふたり唄~ウムイ継承』(タフビーツ、2009年)は、前作『唄ウムイ』以来、大城美佐子の2年ぶりの新作となった。随分楽しみだったので、早速聴いた。

よなは徹とは40歳くらいの差がある。変わった組み合わせだが、那覇にある大城美佐子の店「島思い」のブログをときどき読んでいると、よなは徹が遊びに来て唄ったりしていることが書いてあり、接近は前からしていた。というと大袈裟だが、何年か前にお店でよなは徹の話題になったときに、唄いに来ることは言っていなかったから、やっぱり最近のことなのだ。

メンバーは2人だけなので、いまの唄声がじっくり聴ける。正直言って、期待以上でも以下でもないが嬉しいことは確かなのだ。大城美佐子は個性が突出しながら枯れまくっている印象である。たとえば、同じ「汀間当」を1997年の『絹糸声』(あばさーレコード)と、「仲島節」を1975年の『沖縄うらみ節』(ビクター)と聴き比べてみると、変貌は明らかだ。高い金属音のような声、ときにモンゴルのホーミーのように倍音として聴こえるあの音は姿を消し、凄みはなくなっている。しかし美佐子先生の声はたまらなく好きなのだ。

当然ながら、私には歌詞の意味がよくわからないので、歌詞カードを読みながらじっくりと聴く。よなは徹が唄う「全然駄目」なんて曲は初めて聴いた。えらく愉快だ。知名定男の父・定繁の作詞作曲である。「汀間当」には「丸目加那」(まるみかな)が登場するが、これは名護の旧・久志村の娘だったのか。「まるみかなー」という、国際通り沿いにあった店は、民謡の生き字引・小浜司さんが経営していた。店はちょっとはずれに移転し「いーやーぐゎー」という名前になったが、そっちで小浜さんと前作『唄ウムイ』の話をしていると、どうも「今風の作り方」に批判的なのだった。近作には文句はないと思うがどうだろう。こんど店に行けたら訊いてみよう。


大城美佐子、六本木(2006年頃) LEICA M3、ELMARIT 90mmF2.8、TMAX400+2、フォルテ(バライタ)

ところで偶然の話。よなは徹が唄うのをはじめて観たのは、やんばるの森の中、比地大滝だった。家族ではあはあ言いながら登って、滝つぼを覗き込むと、岩の上になぜか座って三線を弾いていた。あとで本人に写真を見せて確認したところ、ヴィデオの撮影現場なのだった。


よなは徹、比地大滝(2004年) PENTAX LX、FA77mmF1.9、Velvia、ダイレクトプリント

●参照
唄ウムイ 主ン妻節の30年
代官山で大城美佐子を聴いた
知名定男の本土デビュー前のレコード
Zeiss Biogon 35mm/f2.0 で撮る「島思い」
Leitz Elmarit 90mm/f2.8 で撮る栄町市場と大城美佐子
城間ヨシさん、インターリュード、栄町市場
久高島で記録された嘉手苅林昌『沖縄の魂の行方』、イザイホーを利用した池澤夏樹『眠る女』、八重山で演奏された齋藤徹『パナリ』