Sightsong

自縄自縛日記

ケヴィン・マクドナルド『消されたヘッドライン』、アンドリュー・ラウ『Look for a Star』

2009-09-30 23:59:53 | 北米

5日間ほど所用で中国に飛んだ。飛行機の楽しみは映画に尽きるのだが、今回はどうもラインナップが今ひとつで・・・・・・、まあ贅沢は言わない。

ケヴィン・マクドナルド『消されたヘッドライン』(2009年)

この手の米国映画をわざわざ映画館で観ることはほとんどないこともあり、今年上映されたことすら知らなかった。ラッセル・クロウが「いかにも」な感じの癖のある新聞記者を演じている。ちょっとアウトローな勤め人の演技を観ると、自分も仕事ができる奴のような錯覚を覚えるのだから便利である。

退役軍人を抱え、軍事兵器、宣伝広告、傭兵などの総合軍事ビジネスで政治に喰い込んでいる企業。ざっくり言えば、自国の恥部を映画に描いて、浄化された気にさせる米国製「社会派」映画は無数にあるから、観ていてデジャヴ感にとらわれる。ただ、常に戦争状態でなければ成立しえない米国の姿を描いたものとして、それなりに面白いものだった。他に軍産複合体を取り上げた映画にはどんなものがあるかな。

アンドリュー・ラウ『Look for a Star』(2009年)

アンディ・ラウスー・チー主演。富豪のビジネスマンと貧乏のダンサーとの恋愛ものであり、映画としてはまったく何ということもない。スー・チーは、これまで、チャウ・シンチーと共演した『ラッキー・ガイ』や、ジョニー・トーが製作した『スー・チー in ミスター・パーフェクト』などの演技から、能天気で理性のない女優にすぎないと思っていたが、実は動きにも表情にも魅力と色気があることを発見した。最近では侯孝賢(ホウ・シャオシェン)の『百年恋歌』などにも出演しているようだ。観たい。

●参照
『スー・チー in ミスター・パーフェクト』