カタールの首都ドーハ。夜到着しての印象は、上海を凌駕するほどギラギラしたハイテク都市ぶり。ペルシャ湾に面してちょっとした内湾になっており、水面越しに高層ビル群を眺めるとその光景は『ブレードランナー』である(下に猥雑な通りがない点が決定的に違う)。
仕事が終わって少し時間ができたので、話題の村上隆展を観に行った。『murakami ego』と題されており、会場のAlriwaq Exhibition Spaceを大通りから見ると村上隆のキャラでギトギトに飾り付けられている。玄関を入るとそこには巨大な村上隆の座像、横に笑うお花たち。何なんだ。
受付の女の子たちはフレンドリーで、こちらを日本人だと見るや嬉しそうに日本語で話しかけてくる。やはりサウジ社会とはまるで違う。
中も凄い。DOB君、TOKYO MXのゆめらいおん、お花、カイカイとキキ、カッパ、美少女たちといった馴染のキャラたちが、圧倒的な物量で迫ってくる。ここまで親しみの圧力をかけられると、アニメ的なキャラが宗教であっても問題ないなと思った次第。それにしても、湾岸国だから出来た展示ということなのだろうか。
すぐ隣りには、イスラム芸術博物館(Museum of Islamic Art)がある。斬新なデザインのハコが、湾の中に建てられ、橋でつながっている(中野ミュージアムショップには、田原桂一による博物館の大判の写真集があったが、高いため買わなかった)。
中の吹き抜けから天井を視る
外はいい雰囲気
閉館まで時間があまりなくて駆け足での観賞だったが、それでも非常に愉しかった。撮影は自由である。
猿(イラン、1200年頃)
『シャー・ナーメ』より、ザーハックの悪夢(イラン、1525-35年頃)
小型コーラン(イラン、1550年頃)
鉄鏡(イラン、16世紀)
ボウル(イラク、9世紀)
ガラス瓶(エジプトまたはシリア、1200年頃)
モスクのランプ(エジプト、14世紀)
モスクのランプ(リバイバル品)(フランス、1881 or 84年)
『ラーマーヤナ』写本(インド、16世紀後期)
ムガル帝国第5代皇帝シャー・ジャハーンのカメオ(インド、1630-40年)
宝石の隼(金、エナメル、ルビー、エメラルド、ダイヤモンド、サファイア、オニキス)(インド、1640年頃)
オスマン帝国のヘルメット(トルコまたはコーカサス地方、15世紀)
オスマン帝国のヘルメット(トルコ、16世紀初頭)
オスマン帝国の兵士(トルコ、15世紀末~16世紀初頭)
オスマン帝国のコーヒーカップ・ホルダー(金、ダイヤモンド、ルビー)(トルコまたは欧州、19世紀)