土曜の朝だというのに新宿の丸善まで出かけた。ペンクリニックを開いており、気になる万年筆を診てもらおうと思ったのだ。
持参したのは、使いはじめたばかりのデルタ・ドルチェビータ・スリムと、カジュアルなラミー・サファリである。前者のニブは14KのM。後者のニブはステンレスのM。書きはじめや書いている途中にインクが途切れ、ちょっと苛々することがあった。
仕事でも何でもペンを使うことが多い。そこに何しろ快楽を持ち込むための万年筆であるから、これでは折角気分が乗っても削がれてしまう。もっとも、同じ万年筆を延々と使い続け、ペン先がうまく摩耗してくれば、書き味は良くなるのだろう。しかし、最初から良いに越したことはない。
ペンドクターは、セントラル貿易の宍倉潔子さん。到着してさっそくお願いすると、にこにこしながら、ペン先を素手で拡げたり、何種類もの紙やすりや樹脂板のようなものでこすったり。その結果、見違えるようにインクフローがなめらかになった。さすがの技術である。
喫茶店でノートを開いて書いてみると、やっぱり全然違う。いや嬉しい。良い気分で、今年二回目のインドネシアに持っていこう。