新宿ピットインにて、オリン・エヴァンスとエリック・レヴィスとのデュオを観る(2016/1/16)。
昨年(2015年)に、NYのSMOKEにおいて、エヴァンスが率いるCaptain Black Big Bandでの姿に接して以来である。レヴィスについては、やはり昨年、NYのVillage Vanguardでカート・ローゼンウィンケルの新トリオ以来。しかしかたやビッグバンド、かたや目立つ主役が別にいるという具合であるから、このようにシンプルなデュオも嬉しい。

Orrin Evans (p, vo)
Eric Revis (b)
いきなり、サム・リヴァースの「Beatrice」。リヴァース本人の演奏は勢いでぐちゃぐちゃでろでろ、ジョー・ヘンダーソンの演奏は悠然と自身のテナー・サウンドを聴かせるものだった。しかしここではスマートなブルースであり、非常に新鮮。そのあとは、レヴィスとエヴァンスのオリジナルを中心として、オーネット・コールマンの「Blues Connotation」なども演奏した。「Over the Rainbow」が聴こえた場面もあった。ホーギー・カーマイケルの「Rockin' Chair」では、なんと、エヴァンスは弾きながら喉を披露した。
それにしても、ふたりの指は鋼鉄でできているのではないかと思えるほど重たい。レヴィスはベースの背中を向けるような形で、ヘヴィ級のボクサーによる重いジャブを繰り出した。エヴァンスも迷うことなく一音一音の圧が高い指によって、ダンディなブルースを弾いた。粘っこいリフを絶妙に後ノリにしてゆき発展させたとき、観客席から反射的な拍手が起きた。
●参照
オリン・エヴァンスのCaptain Black Big Band @Smoke(2015年)
オリン・エヴァンス『The Evolution of Oneself』(2014年)
オリン・エヴァンス『"... It Was Beauty"』(2013年)
カート・ローゼンウィンケル@Village Vanguard(2015年)(レヴィス参加)