水道橋のFtarriに足を運び、森順治と橋本英樹のデュオを観る(2016/1/12)。
Junji Mori 森順治 (as, fl, bcl, ss)
Hideki Hashimoto 橋本英樹 (tp)
50分ほどの会話を、みっちりと2セッション。
体感しながら面白いなと思ったのは、トランペットがベクトルの楽器であり、音を発する範囲や方向がとても柔軟であるということだ。体を激しく動かしながらのダンスも、上を向いてのファンファーレも、ミュートによる封じ込めも可能。
それに対し、森さんのサックスやバスクラは、ベクトルとしてではなく、しかしその場で次々に姿を変えていき、見事だった。演奏前には、ソプラノサックスを持ってきたのにマウスピースを忘れてしまったと笑っていたのだったが、なんと、途中で、マウスピースなしで朝顔のほうから逆に息と声とを吹き込みはじめ、呼応して橋本さんもトランペット内で声を発した。そして、ここからは、アルトもバスクラも解体して、異なる方向からの音を試行することになった。
サウンドの因数分解とどのように展開するのか読めない会話。アンソニー・ブラクストンとテイラー・ホー・バイナムとの演奏にインスパイアされてのセッションだったと記憶しているが、当然ながら、それとはまた違った印象で、脳が活性化され愉快極まりないものだった。
P7800
●参照
M.A.S.H.@七針(2015年)