トゥーツ・シールマンス+エリス・レジーナ『Aquarela do Brazil』(Fontana、1969年)を聴く。
Toots Thielemans (g, harm)
Elis Regina (vo)
Antonio Adolfo (p)
Roberto Menescal (g)
Wilson das Neves (perc)
たまにこんなものを聴くと身体の力を抜くことができて、うっとりもする。エリス・レジーナがちょっと余裕をもって呟くような瞬間もいいし、「哀愁」そのもののトゥーツ・シールマンスのハーモニカも大好きである。最初の「Wave」から気持ちが浮き立ってきて、終わりころの鼻歌のような「Honeysuckle Rose」に至ってニコニコ、そして最後の「Volta」でのレジーナの震える声にはやけに感傷的になってしまう。生きていることも悪くないねと大袈裟に思ってしまうのもふたりの力か。