スティーヴ・スウェル『Soul Travelers』(Rogueart、2016年)を聴く。LPである。
Steve Swell (tb)
Jemeel Moondoc (as)
Dave Burrell (p)
William Parker (b)
Gerald Cleaver (ds)
どうだと言わんばかりのメンバー。とはいえ、いまも、主役スティーヴ・スウェルのトロンボーンがどんなものか心に落ちてこないのではあるけれど。
(わたしに)キャラがわからない主役以外、それぞれが個性を発揮していて嬉しい。ジャミール・ムーンドックのアルトは微妙にずれた音色で、素朴とも思えるように吹いていて、そのにおいがいい。御大ウィリアム・パーカーのベースはとても重いくせに鈍重さなどまったくない。同じ音を繰り返して、おもむろに満を持したかのように移動しはじめるところなど、ぞわぞわするような快感を覚える。ジェラルド・クリーヴァーのシンバルを効果的に使ったスピルアウトぶりもいい。デイヴ・バレルは、ピアノの一音一音を積み重ね、サウンドのなかでの和音の響きを確かめていくようなプレイを行っていたかと思えば、堤が決壊してフレーズが轟轟と流れはじめる。
●参照
ヨニ・クレッツマー『Five』、+アジェミアン+シェイ『Until Your Throat Is Dry』(JazzTokyo)(2015, 16年)(スティーヴ・スウェル参加)