クリス・ピッツィオコス『One Eye with a Microscope Attached』(Eleatic Records、2016年)を聴く。
Chris Pitsiokos (as)
Andrew Smiley (g)
Henry Fraser (b)
Jason Nazary (ds)
これまでのピッツィオコスとは随分と印象が異なる。すべてかれの手により作曲された曲の演奏なのであり、即興演奏とは異なる。
もっとも、即興であれ曲であれ、猛烈なスピードでの猛禽のようなアルトソロがかれの持ち味でもあったから、そのことは大した違いではないのかもしれない。ここでも、どうなっているのかというほどの変態的な高速フレーズを平然と吹いている。アンドリュー・スマイリーのギターの効果は絶大で、極彩色のパンクサウンドである。しかもアレンジもしっかり構築されているように聴こえる。
アルトの白石民夫さんにピッツィオコスについて尋ねてみたところ、「かれは曲を演る」と答えた。そのときは、同じニューヨークで活動しながら音楽上の接点はなかったのだが、その後、Downtown Music Galleryでのライヴで共演している。白石さんの印象はどのようにか変わっただろうか。
●クリス・ピッツィオコス
ニューヨーク、冬の終わりのライヴ日記(2015年)
クリス・ピッツィオコス@Shapeshifter Lab、Don Pedro(2015年)
クリス・ピッツィオコス『Gordian Twine』(2015年)
ドレ・ホチェヴァー『Collective Effervescence』(2014年)
ウィーゼル・ウォルター+クリス・ピッツィオコス『Drawn and Quartered』(2014年)
クリス・ピッツィオコス+フィリップ・ホワイト『Paroxysm』(2014年)
クリス・ピッツィオコス『Maximalism』(2013年)