ポール・ラザフォード『Solo Trombone Improvisations』(EMANEM、1974年)を聴く。
Paul Rutherford (tb)
奇怪でもあり愉快でもある、トロンボーン完全ソロ。
それにしてもサウンドの表情が豊かである。たとえば2曲目の「Elaquest」において金属の玩具音をがらがらと鳴らしたり、なにかをバホバホと叩いていたり、どうやっているのだろう。また、ヴォイスとともに吹くのはわかるとして、それが、時に、フィル・ミントンが喉の奥で鳴らす口笛のような音であったり、また船のエンジン音やガーグルのようであったり。
いちどだけ、ベルリン・コンテンポラリー・ジャズ・オーケストラのメンバーとして演奏するところを観たが(本人は2007年に亡くなっている)、それ以外はあまり注目して聴いてはこなかった。グローブ・ユニティを含め、もうちょっとこの人を耳で追いかけてみようかな。