『生活向上委員会ライブ・イン・益田』(1976年、Aketa's Disk)を聴く。
Koichi Matsukaze 松風鉱一 (as)
Shoji Aketagawa 明田川荘之 (p)
Koichi Yamazaki 山崎弘一 (b)
Takashi Miyasaka 宮坂高史 (ds)
ずいぶん欲しかったアナログ盤を手に入れた。いいだろう。
原田依幸・梅津和時の両氏がアメリカに発ったあと、「生活向上委員会」の名義は松風鉱一さんが引き継いだことになっている。もっとも、原田さんが書いたところによれば、「良い名前がないから貸してくれよと松風が言うんで、いいよ。と普通そんなことしないですけどね(笑)」だという。
松風さんのリーダー作『At The Room 427』が1975年、『Earth Mother』が78年であり、その間の演奏である。そのあとは、森山威男『Smile』が80年、『Good Nature』が81年、『サックス・ワークショップ』が82年。『Earth Mother』はいまもレア盤であり、松風さんが講師を務めるホット・ミュージック・スクールの待合室でも、こないだヤフオクにうん万で出ていましたよ、えっ俺は持ってないんじゃないかな(笑)、なんて話題があったのを覚えている。わたしも欲しいが縁がない。
なんにしても29歳の松風さんである。本盤の裏面には「精神分裂ニワトリ・アルト」と書いてあり(何か当時のジャズ誌で「チキン」とか読んだこともある)、それはないだろうと思うが、確かにドルフィー的とも評価された飛躍するフレーズが満載であり、とても面白い。このときのスタイルについて訊いたことはないのだが、教えるときにもドルフィーのフレーズについても言及していたし、もちろん方法論的なものである。音色は艶やかというか、確かに嘴でついばむように尖がっている。松風さんはこのあと、ささくれたような独自の音色を押し出していく。
「天才アケタ」はというと、既にあの情緒あふれるピアノスタイルである。オリジナル曲「斎(いんば)」だけでなく、ジャズスタンダード「Impressions」、「I Love You」でも、もろにアケタ色である。面白いな。
●松風鉱一
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
松風鉱一@十条カフェスペース101(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
渋谷毅エッセンシャル・エリントン@新宿ピットイン(2015年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2015年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
5年ぶりの松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2013年)
松風鉱一カルテット@新宿ピットイン(2012年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2008年)
松風鉱一カルテット、ズミクロン50mm/f2(2007年)
松風鉱一『Good Nature』(1981年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
森山威男『SMILE』、『Live at LOVELY』
反対側の新宿ピットイン
くにおんジャズ、鳥飼否宇『密林』
●明田川荘之
明田川荘之『ライヴ・イン・函館「あうん堂ホール」』(2013年)
中央線ジャズ
●山崎弘一
本多滋世@阿佐ヶ谷マンハッタン(2016年)
宮野裕司+中牟礼貞則+山崎弘一+本多滋世@小岩フルハウス(2013年)
●生活向上委員会
生活向上委員会2016+ドン・モイエ@座・高円寺2(2016年)
生活向上委員会大管弦楽団『This Is Music Is This?』(1979年)
『生活向上委員会ニューヨーク支部』(1975年)