Sightsong

自縄自縛日記

星の栖家『plays COMPOSTELA』

2018-03-28 08:03:16 | アヴァンギャルド・ジャズ

星の栖家『plays COMPOSTELA』(off note、2005年)を聴く。

Takero Sekijima 関島岳郎 (tuba)
Kanji Nakao 中尾勘二 (as, ss, cl, ds, Grosse Caisse)
Yuriko Mukojima 向島ゆり子 (vln)
Hiroshi Funato 船戸博史 (b) (Track 3-10)
Gakuro Fukui 福井岳郎 (charango) (Track 9, 10)

コンポステラの「反射する道」や「月下の一群」や「最初の記憶」、ストラーダの「身それた花」といった曲がこのメンバーで演奏されているのを聴くだけで胸が熱くなる。なぜもっと早く入手しなかったのだろう。

関島岳郎のチューバが大きな雰囲気を絶えず生み出し、中尾勘二と向島ゆり子とが前に出てきては心の奥底に届く旋律を奏でる。ときに背後で船戸博史のベースが生命を付け加えるのも素晴らしくて、特に「身それた花」において途中で入ってくる瞬間なんてぞくりとする。また、北海道の福井岳郎という人を知ったことも嬉しい。

宣伝文句には「世界音楽」とある。個の音楽を深く掘り下げていったからこその普遍性であり、それはスウェーデンとルーマニアの民謡を聴いていると強く感じられる。コンポステラやストラーダとはもちろん異なるし、林栄一・中尾勘二・関島岳郎によるフォトンとも違うし、同じメンバーによる『星空音楽會』よりも旅の雰囲気を色濃く持っている。

●中尾勘二
グンジョーガクレヨン、INCAPACITANTS、.es@スーパーデラックス(2016年)
中尾勘二@裏窓(2015年)
向島ゆり子+関島岳郎+中尾勘二『星空音楽會 Musica En Compostela』(2010年)
ふいご(2008年)
川下直広『漂浪者の肖像』(2005年)
船戸博史『Low Fish』(2004年)
嘉手苅林次『My Sweet Home Koza』(1997年)
大島保克+オルケスタ・ボレ『今どぅ別り』 移民、棄民、基地(1997年)