Sightsong

自縄自縛日記

本田珠也『Ictus』

2018-03-03 09:37:00 | アヴァンギャルド・ジャズ

本田珠也『Ictus』(Song X Jazz、2017年)を聴く。

Tamaya Honda 本田珠也 (ds)
Takashi Sugawa 須川崇志 (b)
Koichi Sato 佐藤浩一 (p)

メンバーにも驚いたが、さらに、半分以上カーラ・ブレイの曲を演奏していることにも驚いた。しかし、聴いてみると、さすがスーパーピアニスト佐藤浩一、抑制しスマートでありつつもサウンドの拡がりがあって、カーラの呪縛なんてハナから無い。

このIctus Trioは有機的に絡み合う魅力も大きいようで、そのボンドは須川崇志さんの固くも柔軟でもあるベースか。そして本田珠也さんのドラムスは重たい鞭のようにサウンドにびしびしと活を入れ続けている。

●本田珠也
今村祐司グループ@新宿ピットイン(2017年)
TAMAXILLE『Live at Shinjuku Pit Inn』(2017年)
ナチュラル・ボーン・キラー・バンド『Catastrophe of Love Psychedelic』(2015-16年)
守谷美由貴トリオ@新宿ピットイン(2016年)
蓮見令麻@荻窪ベルベットサン(2015年)
荒武裕一朗『Time for a Change』(2015年)
鈴木勲セッション@新宿ピットイン(2014年)
本田珠也SESSION@新宿ピットイン(2014年)
ポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク@新宿ピットイン(2012年)
石田幹雄トリオ『ターキッシュ・マンボ』(2008年)

●須川崇志
TAMAXILLE『Live at Shinjuku Pit Inn』(2017年)
須川崇志+ロッテ・アンカー+キャスパー・トランバーグ+ラース・グレーヴェ@下北沢APOLLO(2017年)
蓮見令麻@荻窪ベルベットサン
(2015年)

●佐藤浩一
小沼ようすけ+グレゴリー・プリヴァ、挟間美帆 plus 十@Jazz Auditoria(2017年)
rabbitoo@フクモリ(2016年)
rabbitoo『the torch』(2015年)
福冨博カルテット@新宿ピットイン(2015年)
安ヵ川大樹『神舞』(2012年)


波多江崇行+川下直広+小山彰太『Parhelic Circles』

2018-03-03 08:18:08 | アヴァンギャルド・ジャズ

波多江崇行+川下直広+小山彰太『Parhelic Circles』(地底レコード、2017年)を聴く。

Takayuki Hatae 波多江崇行 (g)
Naohiro Kawashita 川下直広 (ts)
Shota Koyama 小山彰太 (ds)

いきなり濁りの楔を打ち込んでくる川下直広さんのテナーはずっと情そのものの濁りを持っている。ときに川下さんらしきフレーズが聴こえてくる。

テナーもそうだが、波多江崇行さんのギターも大小の波を絶えず創り出し、暗闇のグラデーションを次々に見せてくれる。また小山彰太さんのドラムスは傾奇者が見事に踊って見せるようで、驚くようなハッタリも真の迫力もあって、相変わらず独特としか言いようがないものである。

ふたつのインプロが終わり、「Mary Hartman Mary Hartman You've Got It Made」に。「When I Fall in Love」にも似たフレーズを落ち着いて奏でる波多江さんのギターは、暗闇の中で見出された光のようだ。そして川下さんのテナーがあらためて情を展開する。

情と濁りと暗闇と光。

●川下直広
川下直広カルテット@なってるハウス(2017年)
川下直広@ナベサン(2016年)
川下直広カルテット@なってるハウス(2016年)
渡辺勝+川下直広@なってるハウス(2015年)
川下直広『漂浪者の肖像』(2005年)
川下直広+山崎弘一『I Guess Everything Reminds You of Something』(1997年)
『RAdIO』(1996, 99年)
『RAdIO』カセットテープ版(1994年)
のなか悟空&元祖・人間国宝オールスターズ『伝説の「アフリカ探検前夜」/ピットインライブ生録画』(1988年) 

●小山彰太
立花秀輝『Unlimited Standard』(2011年)
2000年4月21日、高木元輝+不破大輔+小山彰太(2000年)
往来トリオの2作品、『往来』と『雲は行く』(1999-2000年)
高瀬アキ『Oriental Express』(1994年)