挟間美帆『The Monk: Live at Bimhuis』(Verve、2017年)を聴く。
Miho Hazama 挟間美帆 (conducting)
Meropole Orkest Big Band
挟間美帆がオランダのビッグバンドとともに、セロニアス・モンクの曲を凝ったアレンジで演奏。
曲の中でも鮮やかな転換があり、採りたての野菜のようにフレッシュである。仕掛けとして驚いたのは「Friday the 13th」のボサ・ノヴァ的な展開。いい意味でモンク的ではない「Epistrophy」も面白い。
インタビュー記事を読むと、「メトロポールはとても良い意味でマイペースなオーケストラ」という発言があり、笑ってしまった。まったくその点がサウンドのキャラづくりに貢献している。方向性は違うものの、ビッグネームと一緒に作り上げられた傑作『Time River』(Verve、2015年)よりも溌剌としていて愉しそうで好きである。同インタビュー記事でも引用されているように、割と大編成であれば、ウィントン・マルサリスのセプテットによるモンク集を思い出すのだが、それは緊密さの中に愉しさが仕掛けられているものであって、本盤の開かれた雰囲気とは違っている。(好きでよく聴いたのだがどうも売り払ってしまったらしく見当たらない。)
アムステルダムのBimhuisにはいつか行ってみたい。2004年のウィレム・ブロイカー・コレクティーフ来日時に、メンバーのひとりがアムスに来るんだったらBimhuisだとか言ってくれたのだが、まだ果たしていない。
●挟間美帆
小沼ようすけ+グレゴリー・プリヴァ、挟間美帆 plus 十@Jazz Auditoria(2017年)