Sightsong

自縄自縛日記

ケン・ヴァンダーマーク+ポール・ニルセン・ラヴ@稲毛Candy(2日目)

2019-12-09 08:02:43 | アヴァンギャルド・ジャズ

稲毛のCandyでデュオ2日目(2019/12/8)。

Ken Vandermark (ts, cl)
Paal Nilssen-Love (ds)

テナーソロのあとにドラムスが入る。ケンの吹き切りも再び介入するところも潔くて良い。テナーでは抑制的にいくつもの音を出していたのだが、クラに持ち替えると聴く側が音色の違いにちょっと混乱する。続く2曲目でポールさんのマレットはやはり強烈な音波を放ち、目が醒めるようだ。テナーは親しみやすい旋律から連続的に激しくエスカレートする。ジャズもブルースもフリージャズもすべて同じ庭の中にある、これがケンさんのサウンドだ。

セカンドセットでは、異様に圧の強いブラシから始まった。クラもまた音圧が強く、これだというフラグメンツを次々に形成する。ポールsんがスティックに持ち替えると、いい機会だとばかりにケンさんもテナーに持ち替えた。これが音風景を一変させた。左右に首を振るテナーでの効果もおもしろい。

クラは高く澄んでいるばかりではない。次第に濁り連続的に出される音はまるでコルトレーンである。また擦れた小さい音でドローンを作り、ときに循環呼吸で吹き続けたりもして、場の緊張を解かない演奏もまた良い。ポールさんが細いスティックで入り、シンプルながらそれを激しく発展させてゆく。そしてケンさんはテナーの中で何かが燃えて火花を散らしているようなピキピキ音を放ちまくる。凄い。

アンコールに応えて、ポールがでんでん太鼓を使い、ケンがテナーを静々と吹いた。

終わったあとにケンさんに飲みながら訊くと、やはり米国では助成を得ることがとても難しく、それゆえに来日もままならないということだった。そしてCandyに戻りレコード大会。ポールさんが最初に言ったアーチー・シェップとダラー・ブランドとの共演盤はなかったが、シェップとローチとのデュオ盤、またレスター・ボウイの『The Great Pretender』に一同大盛り上がり。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF35mmF1.4、XF60mmF2.4

●ケン・ヴァンダーマーク
ケン・ヴァンダーマーク+ポール・ニルセン・ラヴ@稲毛Candy(2019年)
ネイト・ウーリー+ケン・ヴァンダーマーク『East by Northwest』、『All Directions Home』(2015年)
ポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク@新宿ピットイン(2011年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Concert for Fukushima / Wels 2011』(2011年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Soldier of the Road』(2011年)
4 Corners『Alive in Lisbon』(2007年)
スクール・デイズ『In Our Times』(2001年)
ポール・リットン+ケン・ヴァンダーマーク『English Suites』(1999年)
ジョー・モリス w/ DKVトリオ『deep telling』(1998年)

●ポール・ニルセン・ラヴ
ケン・ヴァンダーマーク+ポール・ニルセン・ラヴ@稲毛Candy(2019年)
フローデ・イェシュタ@渋谷公園通りクラシックス(2019年)
デイヴィッド・マレイ+ポール・ニルセン・ラヴ+インゲブリグト・ホーケル・フラーテン@オーステンデKAAP(2019年)
Arashi@稲毛Candy(2019年)
ボーンシェイカー『Fake Music』(2017年)
ペーター・ブロッツマン+スティーヴ・スウェル+ポール・ニルセン・ラヴ『Live in Copenhagen』(2016年)
ザ・シング@稲毛Candy(2013年)
ジョー・マクフィー+ポール・ニルセン・ラヴ@稲毛Candy(2013年)
ネナ・チェリー+ザ・シング『The Cherry Thing』とリミックス盤(2012年)
ポール・ニルセン・ラヴ+ケン・ヴァンダーマーク@新宿ピットイン(2011年)
ペーター・ブロッツマン@新宿ピットイン(2011年)
ペーター・ブロッツマンの映像『Concert for Fukushima / Wels 2011』
(2011年)
ジョー・マクフィーとポール・ニルセン-ラヴとのデュオ、『明日が今日来た』(2008年)
4 Corners『Alive in Lisbon』(2007年)
ピーター・ヤンソン+ヨナス・カルハマー+ポール・ニルセン・ラヴ『Live at Glenn Miller Cafe vol.1』(2001年)
スクール・デイズ『In Our Times』(2001年)