Sightsong

自縄自縛日記

広瀬淳二+カル・ライアル+クリスティアン・メオス・スヴェンセン+ダレン・ムーア@下北沢Apollo

2019-12-01 12:01:23 | アヴァンギャルド・ジャズ

下北沢のApollo(2019/11/30)。

Junji Hirose 広瀬淳二 (ts)
Cal Lyall (g)
Christian Meaas Svendsen (b)
Darren Moore (ds)

ノルウェーから再来日したクリスティアン・メオス・スヴェンセンは、今回はほとんどヴァケイションであり、ギグは2回だけである(この日と、今日のOTOOTO)。それにしても良いメンバーである。

ファーストセット、セカンドセットともに、皆が擦音をコアにサウンドの展開を図るという形。ダレン・ムーアはシンバルを擦り、クリスティアンも楽器の音を確かめるように撫ではじめる。やがて全員とも持てるエネルギーを全開にしてゆくのだが、それが凄まじく、インプロもフリージャズも何とでも呼んでくれというようなものだ。

広瀬さんの上から下への往還はいつもながら超一級であり、高音のフラジオで攻めまくる時間も、発泡スチロールを仲間にした拡張の時間もあった。カル・ライアルはポケットにびしびしと入ってくる。ダレンさんもあらゆる技を惜しみなく使う。そしてクリスティアンは、三本の弓を同時に使い(口で固定したりもする)、さらに喉歌も混ぜてくる。これにより複数の声を表現するのであり、かなり独創性が高い。それだけでなく4人の声が交代しあった。

Fuji X-E2、7Artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●広瀬淳二
815展でのパフォーマンス(矢部優子、広瀬淳二、池田陽子、渡辺隆雄、遠藤昭)@好文画廊(2019年)
広瀬淳二+さがゆき@なってるハウス(2019年)
クレイグ・ペデルセン+中村としまる、エリザベス・ミラー+広瀬淳二@Ftarri(2018年)
広瀬淳二『No-Instrument Air Noise』(2017年)
ブライアン・アレン+広瀬淳二+ダレン・ムーア@Ftarri(2018年)
ロジャー・ターナー+広瀬淳二+内橋和久@公園通りクラシックス(2017年)
クリス・ピッツィオコス+吉田達也+広瀬淳二+JOJO広重+スガダイロー@秋葉原GOODMAN(2017年)
広瀬淳二+今井和雄@なってるハウス(2017年)
広瀬淳二+中村としまる+ダレン・ムーア@Ftarri(2017年)
広瀬淳二+今井和雄+齋藤徹+ジャック・ディミエール@Ftarri(2016年)
広瀬淳二『SSI-5』(2014年)
広瀬淳二+大沼志朗@七針(2012年)
広瀬淳二『the elements』(2009-10年)

●カル・ライアル
Signals Down@落合soup(2019年)
Kiyasu Orchestra Concert@阿佐ヶ谷天(2017年)

●ダレン・ムーア
ブライアン・アレン+広瀬淳二+ダレン・ムーア@Ftarri(2018年)
池田陽子+山㟁直人+ダレン・ムーア、安藤暁彦@Ftarri(2018年)
サイモン・ナバトフ@新宿ピットイン(2017年)
広瀬淳二+中村としまる+ダレン・ムーア@Ftarri(2017年)
Kiyasu Orchestra Concert@阿佐ヶ谷天(2017年)


松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン

2019-12-01 11:04:35 | アヴァンギャルド・ジャズ

新宿ピットイン昼の部(2019/11/30)。

Koichi Matsukaze 松風鉱一(as, ts, fl)
Takayuki Kato 加藤崇之(g)
Hiroaki Mizutani 水谷浩章(b)
Akira Sotoyama 外山明(ds)
Mikio Ishida 石田幹雄(p)

意外にも抑制された立ち上がりはアンビエントな雰囲気もある。しかし各メンバーの正体はすぐに露わになる。「Outside」でのずっと囁いているようなアルトは実に松風さんらしい。それが終わったあとのペキペキのオルガンのようなギターには笑ってしまった。加藤さんは救急車のサイレンのような音も、ロックギターのような音も(「3.11」)、豪華にきらびやかな音も出す。さすがである。

また「3.11」ではギターソロが終わるや否や、エネルギーが移行したかのように、石田さんが火のついたようなソロを弾きまくる。そして皆が煽る煽る。ファーストセットはハチャメチャに5人が重なる「Kikikaikai」で締められた。

セカンドセットの「Hawk Song」における石田幹雄のピアノもまた見事であり、ちょっと板橋文夫の「Goodbye」を思わせる断片もあり、哀しく深いソロだった。ここでの擦れるテナーも、スティックで細かい打音を集めた外山さんのシンバルも素晴らしかった。もちろん一貫してサウンドを駆動するフレットレスベース。

最後はアルトでの「J・C・ナガセ」、アンコールはテナーでゆっくり目の「w.w.w.」。

Fuji X-E2、7artisans 12mmF2.8、XF60mmF2.4

●松風鉱一
渋大祭@川崎市東扇島東公園(2019年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2019年)
平田王子+渋谷毅『Luz Do Sol*やさしい雨』(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年その2)
松風鉱一カルテット@西荻窪Clop Clop(2018年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2018年その1)
松風M.A.S.H. その3@なってるハウス(2018年)
今村祐司グループ@新宿ピットイン(2017年)
松風M.A.S.H. その2@なってるハウス(2017年)
松風M.A.S.H.@なってるハウス(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2017年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その3)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その2)
松風鉱一@十条カフェスペース101(2016年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2016年その1)
渋谷毅エッセンシャル・エリントン@新宿ピットイン(2015年)
松風鉱一カルテット+石田幹雄@新宿ピットイン(2015年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2014年)
5年ぶりの松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2013年)
松風鉱一カルテット@新宿ピットイン(2012年)
渋谷毅オーケストラ@新宿ピットイン(2011年)
松風鉱一トリオ@Lindenbaum(2008年)
松風鉱一カルテット、ズミクロン50mm/f2(2007年)
原みどりとワンダー5『恋☆さざなみ慕情』(2006年)
松風鉱一『Good Nature』(1981年)
松風鉱一トリオ+大徳俊幸『Earth Mother』(1978年)
『生活向上委員会ライブ・イン・益田』(1976年)
カーラ・ブレイ+スティーヴ・スワロウ『DUETS』、渋谷毅オーケストラ
森山威男『SMILE』、『Live at LOVELY』 
反対側の新宿ピットイン
くにおんジャズ、鳥飼否宇『密林』