上野の東京国立博物館にて、「アラビアの道-サウジアラビア王国の至宝」展。
特別協賛がサウジアラムコ、協賛が昭和シェル石油と住友化学と、サウジに関係する企業。そして多くの作品はサウジアラビア国立博物館の収蔵品。そりゃあ国立博物館の展示はたいへんなものだから、上野でそこまでの物量と迫力は望めない。しかし、歴史をきれいに整理してエッセンスを見せてくれるという点ではとても面白かった。
どうしても興味は歴史上の大きなエポックに関連したものになってしまう。すなわちイスラームの勃興、オスマン朝、サウード家による近現代の支配。しかし先史時代も、ヘレニズム・ローマ時代も、ここは交易の地であり、そのために栄えたわけでもあったのだ。ローマのリアルな彫刻を目の当たりにすると、あらためて驚いてしまう。
面白かったのは、(国立博物館でも引っ掛かったことだが)イエメンなどでまだ使われている折れ曲がった刀・ジャンビアが、サウジの文化にもあったこと。いま確認したら、リヤドであっと思い撮った写真と、今回撮った写真と、同じ刀を狙っていて、笑ってしまった。
今回の展示(19世紀)
リヤドで観た展示
そして銅のペンケース。中には竹のペンを収納する。とてもオシャレで、これを真似した製品が出たら買ってしまうぞ。見覚えがあったのだが、これは、テヘランのゴレスターン宮殿内の展示で見たものと同じである。ハコは何だろうと思っていたのだが、インク壺だった。
今回の展示(19世紀)
テヘランで見た展示
●参照
リヤドの国立博物館
ドーハの村上隆展とイスラム芸術博物館
テヘランのゴレスターン宮殿
ジョン・フィルビー『サウジ・アラビア王朝史』
イリヤ・トロヤノフ『世界収集家』 リチャード・バートンの伝記小説