沖縄の辺野古に新設(「代替」ではない)が計画されている基地に関して、エセ環境アセスが強行されている。これは何度もまとめた通りだが、アセス実施は、本来、以下のような順序でなされる。
図1 アセスフロー
(資料をもとに作成)
今問題なのは、この順序が守られず、「方法書」を確定する前に、その後になされるべき「現地調査」に組み込むつもりであることが明白な「事前調査」がなされていることだ。そして、その「方法書」にも「事前調査」にも問題が多い。要は、基地を2014年までにつくる「ため」に建前で行う環境アセスなのである。
さて、上の図にあるように、「方法書」に対して沖縄県知事は意見を出すことができる。そのために、沖縄県環境影響評価審査会が知事に答申を出した(2007/12/17)。それはかなり怒りにみちた、良心的で極めて真っ当なものだった。方法書として全く駄目なものだから、作り直せというものだ。(→リンク)
審査会の様子については、ブログ『「癒しの島」から「冷やしの島」へ』の記事(→リンク)が非常に参考になる。
これとは別に、政府でも、「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」が開かれている。第5回会合の資料(→リンク)を、「方法書」と比較すると、いかに滅茶苦茶かがよくわかる。
図2 「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」で示された図面
(資料をもとに作成)
何が「方法書」と違うかというと、
○「洗機場」がある(軍用機を真水で洗うための設備)。当然、廃水を垂れ流せば大変なことになりうる。
○「弾薬搭載エリア」がある。「方法書」では、改めて見ると、形だけ示されていて何のためかわからない。
○「燃料桟橋」がある。
議事録における防衛大臣の発言を読むと、この無茶苦茶さが確信犯的であることがわかる。
○「方法書」は要件を満たしていると(この期に及んで)発言している。
○「現況調査は基本的に順調に進んでいるが、サンゴ、藻場の採捕等について県の許可が得られていない。これらの採捕等はこの冬季のシーズンを逃すと1年後に調査を行わざるを得なくなる。」と発言している。現況調査なるものがそもそも環境アセス法違反であることを無視し、また、環境影響評価よりも、基地をつくるための時間のみを気にしているのである。
○住宅地の上を例外的に飛行することはありうると認めている。これがなし崩しになることは容易に想像できる。
○今頃「滑走路の他に駐機場、格納庫施設、飛行場支援施設、燃料施設、燃料桟橋、弾薬搭載エリア、洗機場などを設置する。」と述べている。言うまでもなく、「方法書」に書いてあるべきだったことだ。
○普天間基地では弾薬搭載ができないため嘉手納基地から運んでいるが、それを辺野古で行うとしている。つまり普天間代替ではなく、基地機能を拡張した新設にほかならない。
○「燃料桟橋」は、大浦湾を軍港化するためのものではない、と発言している。逆に「燃料桟橋」の存在を「方法書」で伏せていたのは、その危惧が市民にあることを予期して反発を防ぐためだったのではないか?
話を戻し、いま、沖縄県知事が、極めて真っ当な沖縄県環境影響評価審査会の答申を取り入れて意見を出すのかどうかが注目されている。
政治的な妥協は充分に考えられることだ。いま良心的な市民である私たちにできることは、知事が日和ることのないよう、メッセージを送ることである。「沖縄県環境影響評価審査会の答申を引用し、「方法書」の再作成を、環境アセス法に沿って行うよう意見を出すべきです」と、簡単に書いて出すつもりだ。
◆郵送の場合
〒900―8570沖縄県那覇市泉崎1の2の2
知事公室広報課「知事へのたより」あて
◆FAXの場合 FAX番号098(866)2467
知事公室広報課「知事へのたより」あて
◆Eメールの場合 kouhou@pref.okinawa.lg.jp
「宝の海~辺野古日記」より(→リンク)
●参考
○ジュゴンの棲む辺野古に基地がつくられる 環境アセスへの意見を出す前に(1) 環境アセスが正当に行われていない
○ジュゴンの棲む辺野古に基地がつくられる 環境アセスへの意見を出す前に(2) 「事前調査」の問題点
○ジュゴンの棲む辺野古に基地がつくられる 環境アセスへの意見を出す前に(3) 「方法書」の問題点
○ジュゴンの棲む辺野古に基地がつくられる 環境アセスへの意見
○「方法書」への国民等の意見
○沖縄県環境影響評価審査会の質問に対する沖縄防衛局のひどい回答
○安次富浩さん(ヘリ基地反対協議会)の最近の発言(すでに洗機場などのことについて指摘している)
図1 アセスフロー
(資料をもとに作成)
今問題なのは、この順序が守られず、「方法書」を確定する前に、その後になされるべき「現地調査」に組み込むつもりであることが明白な「事前調査」がなされていることだ。そして、その「方法書」にも「事前調査」にも問題が多い。要は、基地を2014年までにつくる「ため」に建前で行う環境アセスなのである。
さて、上の図にあるように、「方法書」に対して沖縄県知事は意見を出すことができる。そのために、沖縄県環境影響評価審査会が知事に答申を出した(2007/12/17)。それはかなり怒りにみちた、良心的で極めて真っ当なものだった。方法書として全く駄目なものだから、作り直せというものだ。(→リンク)
審査会の様子については、ブログ『「癒しの島」から「冷やしの島」へ』の記事(→リンク)が非常に参考になる。
これとは別に、政府でも、「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」が開かれている。第5回会合の資料(→リンク)を、「方法書」と比較すると、いかに滅茶苦茶かがよくわかる。
図2 「普天間飛行場の移設に係る措置に関する協議会」で示された図面
(資料をもとに作成)
何が「方法書」と違うかというと、
○「洗機場」がある(軍用機を真水で洗うための設備)。当然、廃水を垂れ流せば大変なことになりうる。
○「弾薬搭載エリア」がある。「方法書」では、改めて見ると、形だけ示されていて何のためかわからない。
○「燃料桟橋」がある。
議事録における防衛大臣の発言を読むと、この無茶苦茶さが確信犯的であることがわかる。
○「方法書」は要件を満たしていると(この期に及んで)発言している。
○「現況調査は基本的に順調に進んでいるが、サンゴ、藻場の採捕等について県の許可が得られていない。これらの採捕等はこの冬季のシーズンを逃すと1年後に調査を行わざるを得なくなる。」と発言している。現況調査なるものがそもそも環境アセス法違反であることを無視し、また、環境影響評価よりも、基地をつくるための時間のみを気にしているのである。
○住宅地の上を例外的に飛行することはありうると認めている。これがなし崩しになることは容易に想像できる。
○今頃「滑走路の他に駐機場、格納庫施設、飛行場支援施設、燃料施設、燃料桟橋、弾薬搭載エリア、洗機場などを設置する。」と述べている。言うまでもなく、「方法書」に書いてあるべきだったことだ。
○普天間基地では弾薬搭載ができないため嘉手納基地から運んでいるが、それを辺野古で行うとしている。つまり普天間代替ではなく、基地機能を拡張した新設にほかならない。
○「燃料桟橋」は、大浦湾を軍港化するためのものではない、と発言している。逆に「燃料桟橋」の存在を「方法書」で伏せていたのは、その危惧が市民にあることを予期して反発を防ぐためだったのではないか?
話を戻し、いま、沖縄県知事が、極めて真っ当な沖縄県環境影響評価審査会の答申を取り入れて意見を出すのかどうかが注目されている。
政治的な妥協は充分に考えられることだ。いま良心的な市民である私たちにできることは、知事が日和ることのないよう、メッセージを送ることである。「沖縄県環境影響評価審査会の答申を引用し、「方法書」の再作成を、環境アセス法に沿って行うよう意見を出すべきです」と、簡単に書いて出すつもりだ。
◆郵送の場合
〒900―8570沖縄県那覇市泉崎1の2の2
知事公室広報課「知事へのたより」あて
◆FAXの場合 FAX番号098(866)2467
知事公室広報課「知事へのたより」あて
◆Eメールの場合 kouhou@pref.okinawa.lg.jp
「宝の海~辺野古日記」より(→リンク)
●参考
○ジュゴンの棲む辺野古に基地がつくられる 環境アセスへの意見を出す前に(1) 環境アセスが正当に行われていない
○ジュゴンの棲む辺野古に基地がつくられる 環境アセスへの意見を出す前に(2) 「事前調査」の問題点
○ジュゴンの棲む辺野古に基地がつくられる 環境アセスへの意見を出す前に(3) 「方法書」の問題点
○ジュゴンの棲む辺野古に基地がつくられる 環境アセスへの意見
○「方法書」への国民等の意見
○沖縄県環境影響評価審査会の質問に対する沖縄防衛局のひどい回答
○安次富浩さん(ヘリ基地反対協議会)の最近の発言(すでに洗機場などのことについて指摘している)
トーンダウンですか・・・。知事に対する有権者以外の私たちにとっても、当然、評価の対象となります。
昨日県に要請に行った感触では、トーンダウン、つまり撤回はする気が無いようでした。
そうなった時、仲井真県知事に対し沖縄県民の態度が問われることにもなります。