池澤夏樹を読んだのが「ハワイイ紀行」だったため、ずっとそっち方面のヒトというイメージが強く、本書もそういう感じの本だろうと存在を知りながら手に取る事をして来なかった。図書館でたまたま目に付いたので手にとって目次を見るとアラやだ、南鳥島だけでなく日本(サハリン含む)を北から南まで、訪問した記録じゃないの。全くもって、ロクに中身を確かめもせず放念していた己が恨めしい。
ちなみに本書は雑誌「旅」の連載企画として書かれた稿を纏めたもののようで全12編、月刊誌ならばちょうど一年分ということになる。
どの稿もたいへん面白い。通り一遍の観光地ではない点、見たものから始まる考察(学者ではないので考証には至らない)が自分の好みのスタイル。こんな風に旅をしたい。中でも「世界はあまりに広すぎる。旅行者の悩みはいつだってこの点にある。(中略)そこに転がった石の一つを丁寧に見るのにさえ、人生は短すぎる。」という一節には激しく共感を覚えた。
また解説文(倉嶋厚)の「『百聞、一見に如かず』といわれる。が、百聞の蓄積がないと、面白い事物が目にはいっていても、それに驚きも感激も感じないまま、見過ごして通ってしまう。」という一文もまた。百聞でなくても良い、せめて簡単な歴史的・技術的背景でも頭に入っておれば旅がより意義深いものになろうとこれまで何十回思ったことか!(少しづつは努力してるんですけどね)
2009年1月18日 自宅にて読了
ちなみに本書は雑誌「旅」の連載企画として書かれた稿を纏めたもののようで全12編、月刊誌ならばちょうど一年分ということになる。
どの稿もたいへん面白い。通り一遍の観光地ではない点、見たものから始まる考察(学者ではないので考証には至らない)が自分の好みのスタイル。こんな風に旅をしたい。中でも「世界はあまりに広すぎる。旅行者の悩みはいつだってこの点にある。(中略)そこに転がった石の一つを丁寧に見るのにさえ、人生は短すぎる。」という一節には激しく共感を覚えた。
また解説文(倉嶋厚)の「『百聞、一見に如かず』といわれる。が、百聞の蓄積がないと、面白い事物が目にはいっていても、それに驚きも感激も感じないまま、見過ごして通ってしまう。」という一文もまた。百聞でなくても良い、せめて簡単な歴史的・技術的背景でも頭に入っておれば旅がより意義深いものになろうとこれまで何十回思ったことか!(少しづつは努力してるんですけどね)
2009年1月18日 自宅にて読了