2017年の韓国映画興行収入No.1なんだそうである。たぶん主演のソン・ガンホが人気俳優と言うだけなく、韓国近代史の暗部の一つに相違ない「光州事件」が舞台だったこともあるのではないか。
ソウルで女の子を抱え貧しく暮らすタクシー運転手が、休憩所で聞きつけた高額報酬の案件に釣られ、ロクに英語を話せないのに外国人記者を乗せて光州まで走ってゆく。苦労して町に潜り込みほうほうの体で直ぐに逃げ出そうとするが、報道されない現地の混乱と市民への弾圧を目の当たりにするうちに彼も「同志」となり外国人記者と行動を共にし、世界へ事実を伝える力になってゆく…物語は実話ベースで、主役のタクシー運転手にもモデルとなった人物がいる。
割とシンプルなスト-リーの中に、妻に先立たれ貧しく男手一つで娘を育てる大変さ、政府による市民弾圧に対する正義感、タクシー運転手同士の連帯感、色々な感情が絡まりあい作品に厚みが出ている。正義漢ではなく飄々と、手っ取り早く金を稼ぎたいだけの中年男が次第に引き締まった顔つきに変わってゆくのが誰にでも判るだろう。
光州事件から40年近く経ったとは言え、よく公開できたと思う。昨年11月の訪問前に本作を観ていたら、光州での過ごし方が変わったかもしれない。
2018年4月27日 JL12便(成田→ダラス)機中にて
追伸
写真は昨年11月に光州駅に行った時に置かれていたもの。何だろうと思いつつ撮りましたが、いま思えばこの映画のものだったんですね。
ソウルで女の子を抱え貧しく暮らすタクシー運転手が、休憩所で聞きつけた高額報酬の案件に釣られ、ロクに英語を話せないのに外国人記者を乗せて光州まで走ってゆく。苦労して町に潜り込みほうほうの体で直ぐに逃げ出そうとするが、報道されない現地の混乱と市民への弾圧を目の当たりにするうちに彼も「同志」となり外国人記者と行動を共にし、世界へ事実を伝える力になってゆく…物語は実話ベースで、主役のタクシー運転手にもモデルとなった人物がいる。
割とシンプルなスト-リーの中に、妻に先立たれ貧しく男手一つで娘を育てる大変さ、政府による市民弾圧に対する正義感、タクシー運転手同士の連帯感、色々な感情が絡まりあい作品に厚みが出ている。正義漢ではなく飄々と、手っ取り早く金を稼ぎたいだけの中年男が次第に引き締まった顔つきに変わってゆくのが誰にでも判るだろう。
光州事件から40年近く経ったとは言え、よく公開できたと思う。昨年11月の訪問前に本作を観ていたら、光州での過ごし方が変わったかもしれない。
2018年4月27日 JL12便(成田→ダラス)機中にて
追伸
写真は昨年11月に光州駅に行った時に置かれていたもの。何だろうと思いつつ撮りましたが、いま思えばこの映画のものだったんですね。