ここのところ著者の作品に順次手をつけているが、本書は海と山林の荒廃から植林による復活の物語に深く関係しているものの、内容はその活動のベースとなる理論的な部分の説明が大半。なのでドラマティックな展開を期待するとがっかりする。
作家である以前に牡蠣養殖業である著者が、活動の過程で知り合った大学教授らと交わりを通じてこのように理論で裏づけしてゆくさまは感動的ですらある。
ところで、これだけ理論に裏付けられ、実際に効果も出ている「川の上流の山々への広葉樹植林活動」が全国あちこちで展開されているという話は聞いた覚えがない。川が注ぐエリアで海の貧困化に困っている漁師がいないのか、上流の山々に植林する賛同が得られないのか、どういうわけだろう。
2020年1月4日 滞在中のベイルートのホテルにて読了
作家である以前に牡蠣養殖業である著者が、活動の過程で知り合った大学教授らと交わりを通じてこのように理論で裏づけしてゆくさまは感動的ですらある。
ところで、これだけ理論に裏付けられ、実際に効果も出ている「川の上流の山々への広葉樹植林活動」が全国あちこちで展開されているという話は聞いた覚えがない。川が注ぐエリアで海の貧困化に困っている漁師がいないのか、上流の山々に植林する賛同が得られないのか、どういうわけだろう。
2020年1月4日 滞在中のベイルートのホテルにて読了