吉村昭が新書を書いているかとに驚き、タイトルも魅力的で借りてみた。「日本に海洋文学はない」とする評論に対し「漂流記という独特の海洋文学がある」とやり返し、その中でもあまり知られていない物語を紹介している。
紹介されているのは、18世紀末に宮城・石巻を出航し「若宮丸」の漂流および乗組員の物語。漂流から生き残ってロシアに運ばれ暮らす乗組員の中でも、帰国希望派と現地永住派に分かれ反目しあう点、彼らを通商政策の駒として使おうとするロシア政府の目論見、帰国した彼らに対する幕府の処遇など、生々しいストーリーが興味深かった。
吉村昭の作品はたくさんあり、読み切れていない。本書をきっかけに、未読の作品に触れてみたくなった。著者いわく、海洋ものだけでも5、6作はあるそうだから。
2020年11月22日 高速バス待ちの酒田庄交ターミナルにて読了
紹介されているのは、18世紀末に宮城・石巻を出航し「若宮丸」の漂流および乗組員の物語。漂流から生き残ってロシアに運ばれ暮らす乗組員の中でも、帰国希望派と現地永住派に分かれ反目しあう点、彼らを通商政策の駒として使おうとするロシア政府の目論見、帰国した彼らに対する幕府の処遇など、生々しいストーリーが興味深かった。
吉村昭の作品はたくさんあり、読み切れていない。本書をきっかけに、未読の作品に触れてみたくなった。著者いわく、海洋ものだけでも5、6作はあるそうだから。
2020年11月22日 高速バス待ちの酒田庄交ターミナルにて読了