先日TOTOミュージアムを見学した際に本書の存在を知り、帰宅してから借りてみた。著者はTOTOの人、専門はウォシュレットあたりの製品群。なので、それ以外のバスタブや洗面台と言った製品については触れられていない。書かれているのはタイトル通り、ウォシュレット単体から昨今の多機能型便器に関して。
たまに専門用語が出てくるが、便器の構造、製法、ウォシュレット開発の経緯と販売の歴史と順を追って書かれており分り易い。最新技術に関しては企業のノウハウもあるだろうから書ける限界があったはずだが、不足感は感じない。
モノづくり、特に革新的な製品で興味深いのは、技術者の目の付けどころ或いは発想と、それを実現する工夫や苦労。まさに「プロジェクトX」だ。日本では受け入れられたおしり洗浄も、欧米ではなかなか普及しない文化の壁の話は特に興味深かった。
ウォシュレットは登録商標だが、「ホチキス」や「ゼロックス」「クラクション」と同様に、その手の商品の代名詞となっている。超節水型トイレもだが、設置してのデメリットなど思い浮かばない。清潔好きな日本人が生んだ世界に誇る商品が、もっと広く普及しますように。
2024年9月28日 実家より戻る電車にて六両
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