タイトル通り中国を筆頭にベトナム、ラオス、タイ、マレーシア、インドネシア、インド、ハンガリー、韓国、香港の鉄道に乗ったり取材してきた著者が思うことをまとめた書。歳も殆ど変わらず各国鉄道に対するイメージが近いためか、著者のスタイルが「乗り鉄」であるためか、書かれていることの多くに納得したり共感した。
高速鉄道の売り込みに当っては、あくまで採算ベースの日本と政治的思惑から採算度外視の中国、それに今後は韓国とアジア内だけでも3カ国が名乗りを上げる。しかし日本は冷静と言うか商売っ気がないと言うか、はたまたセンスが足りないのか、どうも上手くゆかないケースが多いように思えてならない。
本書で異端なのはハンガリーだが、ここでも中国の影がちらつく。もしアフリカを取り上げたなら、それはより露骨なものになるだろう。著者には本書のアフリカ編を上梓いただきたい。そう言えば本書では、フィリピンが取り上げられていないねえ。
海外で鉄道に乗車した時は、その車両がどこ製なのかが気になる。メーカーや製造国を知って不愉快になることもあるけれど、だからと言って乗車を取り止めることはない。本書を読み、またアジアの鉄道に乗りに行きたくなった。
2024年6月12日 米子市のホテルにて読了
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