森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ナワシロイチゴ(バラ科)の実

2006年08月08日 | 自然観察日記
 先日の小国森林公園でのやぶこぎの際の出来事。大汗をかいて山道から下の農道にたどり着いたのがお昼過ぎで、このときは水も食料も持参していなかった。当然、のどが渇きお腹も減っていて、脇を流れる川の水が恨めしい。
 そんな思いで農道を歩いていると目に付いたのがこのナワシロイチゴの実。天の恵みとばかりにつまんでいた。たいしてお腹の足しにものどの渇きにも役にはたたないけれど、とても美味しいと感じた。実際はモミジイチゴに比べれば数段格下の代物なのだが、受け入れる体の状態で感じ方が大変違うものだ。
 そういえば、登山の最中に汗をかいて湧き出る清水をいただくときの美味しさは本当に格別で、子供たちに「水の旨さが判る」ようになれと時々諭している。水と空気が美味しいといえる生活や環境がいつまでもあるといいと思っている。
 

ホタルブクロ(キキョウ科)

2006年08月08日 | 自然観察日記
 これはヤマホタルブクロ。がくの部分が丸く盛り上がっていて、反転する突起状物はない。色の違いでヤマホタルブクロとホタルブクロを区別できない。それほど大きな差でもないから、ホタルブクロでいいのではないか。いずれにせよ味のある命名である。
 子供の頃、実際に蛍をこの中に入れて遊んだ記憶が僅かに残っているが、どういういきさつでそうなったか思い出せない。ホタルブクロは我が家に生えているが、いつしか蛍の姿が見えなくなった。脇の農道沿いに流れる小川の水が夏に枯れる環境になってしまったからで、古き良き自然がまた一つ無くなってしまった。