森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ガマ(ガマ科)

2006年08月10日 | 自然観察日記
 「蒲」と書く。この文字を使った地名が結構沢山ある。このガマが生える場所が湿地であることから、以前湿地帯であった所を干拓したりして人の住めるような場所に作り変え来た歴史がうかがえる。
 もう花も終わりの頃の写真で、残っているのは雌花の部分。この上に雄花があったのだがすでに落ちている。秋が進むとこの雌花の部分が綿毛状態に膨れてこぼれる。もちろん種子を散布するための技だが、因幡の白兎が裸にされてガマの穂に包まれるという話があるが、この時期の真綿みたいな状態のときのことであろう。

ウツボグサ(シソ科)

2006年08月10日 | 自然観察日記
 夏場、比較的日当たりのいい山道などで見かけるシソ科の植物。花はシソ科特有の烏帽子状でそれが沢山束になって咲く。ウツボは魚のウツボではない。弓矢を入れるものに靭(うつぼ)というのがあるそうだが、それになぞらえたものという。残念ながら私は見たことはまい。
 結構群生もするから絵になる花である。暑い時期の青い花は一服の清涼感をもたらせてくれる。
 ちなみに、シソ科の見分け方の一つに茎を触ってみることがいい。茎は丸くなく四角い。角ばった茎を持つものは他にほとんどないからいい区別点である。