森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ハマカンゾウ(ユリ科)

2006年08月18日 | 自然観察日記
 関東以南の海岸に生育するキスゲの一種である。一見ノカンゾウと区別できない。実はこの写真は伊豆大島で撮影したもので、ここにはハマカンゾウしか自生していないという。ヤブカンゾウは八重で区別は容易なのだが、一重のノカンゾウとハマカンゾウは葉が冬枯死するかどうか、生育地が海岸かどうかで決まるそうだ。
 細かいことにことに拘る場合でなければ同じに扱っても差し支えないだろう。生薬でいう甘草(カンゾウ)とは別物で、私はかなり長い間誤認していた。山菜としては利用価値は高いが、薬効はなさそうだ。

センニンソウ(キンポウゲ科)

2006年08月18日 | 自然観察日記
 ボタンヅルに良く似るが葉の形が違う。ボタンヅルは草質の3出複葉、センニンソウはやや硬い葉で小葉には切れ込みがない。白い花が大きな塊になって咲いているから、この時期山野を歩くととても目に付く花だ。
 属名にClematisとあるから、初夏庭を彩る豪華なクレマチスの一群で原種の一つと考えればいい。
 口にすることは無いと思うが、有毒植物としても名高いものである。しかし、蝶などが吸蜜にくるから蜜には毒成分が含まれないのだろう。