森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

オオシマザクラ(バラ科)

2006年08月20日 | 自然観察日記
 伊豆大島。樹齢800年のオオシマザクラの古木で天然記念物に指定されている。あまり保護状態が良い感じではなかったが、鬱蒼とした森にかもまれて静かに生きているという風情である。もっとも花の時期ではないから訪れる人もいないせいか、静寂の空間であった。
 日本はサクラの国で多種の野生種があり、栽培種になると整理が出来ないくらいの品種が存在する。私は野生のサクラの理解の仕方として次のように整理している。基本種は4種で西日本のヤマザクラ(白)、北日本のオオヤマザクラ(桃)、伊豆諸島のオオシマザクラ(白)、各地に点在するエドヒガン(桃)。越後のカスミザクラはヤマザクラの日本海側の変種と理解している。この程度でも結構サクラを理解した気になるが、実際は奥が深い分野である。
 ソメイヨシノは江戸時代にオオシマザクラとエドヒガンを掛け合わせたもので、江戸(現東京)の染井村で作られたといわれている。
 桜餅の葉はオオシマザクラの葉である。

タマアジサイ(ユキノシタ科)

2006年08月20日 | 自然観察日記
 先日伊豆大島に行ってきた。台風10号の影響で大島は雨と低い雲(霧か)で覆われあいにくの訪問になったが、なんとか島を一周して多少とも見聞を広めた。
 丁度タマアジサイの時期で至る所に株があり、まんまるなつぼみを伴うから非常に分かりがいい。つぼみは順次開いて一斉に咲くということはないらしい。伊豆諸島はガクアジサイのほうが有名だが、今回の訪問でタマアジサイの存在も印象深い。
 北日本や西日本にはなく関東東海が分布の中心で越後では妙高の苗名の滝付近など上越地方の山地では見かけるが、中越・下越では記憶が無い。