森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ラセイタソウ(イラクサ科)

2006年08月17日 | 自然観察日記
 ハマユウという海岸植物を取り上げたからもう一種、ラセイタソウ。こちらはいたって地味でハマユウと比較するには次元が違う。
 しかし、イラクサ科の中ではとりわけ印象深い種で、海岸の岩場にへばりついて生育するから岩との対比でいい景色になる。よくよく見れば厚ぼったい葉もずんぐりした花穂も愛嬌がある。
 何処にでもありそうな種だが、こちらは九州・四国以南には分布していないらしい。夏の温度より冬の温度が生育条件に関係が深いのだろうか。

ハマユウ(ヒガンバナ科)

2006年08月17日 | 自然観察日記
 西日本の海岸端にはごく普通に野生している。見栄えのする植物だから公園や庭によく植栽されていて馴染みの深い植物だ。しかし、南方種だから北国にはない。越後でも野生はないが植栽もあまり見かけない。
 ところが、かって知人から株分けしていただいたものが我が家にある。これがほぼ毎年開花する。冬は寒さでほとんどの葉が枯死するが、根元の葉の重なりが大きいのだろう、中の芽を保護するので暖かくなると再び葉を展開しそこそこの株に成長する。その年の寒暖に影響され衰える年もあれば元気な年もある。長岡はこの種が生きていけるぎりぎりの場所のようだ。