森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

ウラジロ(ウラジロ科)

2006年08月24日 | 自然観察日記
 これはシダ植物。伊豆大島では杉植林地の下草にごく普通にある。名前のとおり葉の裏が粉をふいたように白い。大島ばかりでなく太平洋側では、ごく見慣れたもので気になる存在ではないだろう。
 しかし、越後の長岡あたりではまったく見ない。小千谷の山本山で発見されたと聞いたときは驚いた。県内には点々と生育しているようなのだが、私はいまだに合ったことが無い。雪が苦手な植物のようで、これに出会うと暖かい地方に来た感じを私は持つのだ。温暖化で暖かくなっているのならば、このあたりにもウラジロが見られる時代が来るのだろうか。
 シダ植物だから花はないしヘゴの仲間以外には高木になることもない。お正月の飾り物にウラジロが使われているのだが、その習慣が無い越後の人は奇異に感ずるかもしれない。

カクレミノ(ウコギ科)

2006年08月24日 | 自然観察日記
 太平洋側の照葉樹林にはごく普通の常緑高木樹。葉の形は5~3中分裂するものから分裂しないものまでさまざまで光沢があり厚ぼったい。葉が茂ると向こう側がまったく見えなくなることから「隠蓑」なのだろう。
 庭に盛んに植えられるようになっているから越後でもところどころで見かける。全て低木で、雄大な樹はない。花はいたって地味で気づかないことが多いが、日陰作りや目隠しとしての重宝なのだろう。夏場青々とした樹形を見れば涼しさを感ずるかもしれない。