ハスの花を知らない人いないけれど、ハスの実は食べられるということを知っている人は多くありません。食べごろがあってちょうどいい熟し加減の時は大変おいしいもの。中国では生薬として重宝がられるとか。私の家では子供のころに父が小さなハス田を作っていましたからごく普通にハスの実は食べていました。丘陵公園の里山フィールドミュージアムに花ハスが植栽されて3年目、環境に適合したのか驚くほどの勢いで繁殖しています。花はきれいでもこの勢いで増殖されても困ったものですから、駆除の作戦を立てるありさまです。ハスは地下茎で増殖します。池の底の柔らかい泥の層なら良いのですが、その下の固い粘土層にこの地下茎が縦横無尽に伸びてしまいましたから始末が悪いのです。それはそうと、春、温水田にハスの実生を見つけました。家で長い間ハス(レンコン)を栽培していたときには一度も気づかなかったのですが、花ハス(地下茎はあまり肥大しない)を植栽した池の縁で発芽していました。初めて観察することができた次第です。
菅平からの帰り道、とある民家の庭に白い花が花盛りで、思わず「ナンジャモンジャだ!」と叫んでしまいました。この植物は絵でしか見たことがなく、出会いは初めて。庭木ですから塀からはみ出しているところを失敬して写真を撮らせていただきました。
ナンジャモンジャノキとはモクセイ科の種でヒトツバタゴというのが和名です。確か対馬あたりが有名な自生地であったような気がします。名前が面白いのでずっと気にかけていましたが、長野の須坂市で見ようとは思いがけない事態です。
ナンジャモンジャノキとはモクセイ科の種でヒトツバタゴというのが和名です。確か対馬あたりが有名な自生地であったような気がします。名前が面白いのでずっと気にかけていましたが、長野の須坂市で見ようとは思いがけない事態です。
きわめて貴重な種で国の天然記念物にも指定されているところもあると知り、出会ったヒトツバタゴの木はどうしてあの家にあるのか疑念が湧いてきました(増殖し結構庭木として売られているようです)。アオダモなどと同じ仲間で花は純白な線状の花弁。沢山つけますから樹全体が花で包まれるようになります。アオダモは複葉ですがこの種は単葉ですから「一つ葉」といわれる所以です。
見慣れない小さな花を見つけました。その場ではわからなくて、写真に記録し持ち帰っての調べでワダソウと判断。見過ごしそうな花ですが良く見ると整ったなかなか素敵な花です。葉が上部に集まる傾向があり、また葯が色紫色を帯びていて花弁の白とがくの緑と調和し花全体にインパクトを与えています。ナデシコ科。
長野県の和田峠に由来している名前だそうで、似た種にワチガイソウというグループがあるのですが、ワダソウは花弁がへこんでいるのが大きな区別点。他県に出て散策するとたちまち見慣れない種に出会います。ワダソウもその一つでしたが、新たな種に出会う旅もいいものです。少々、消化しきれない怖さもありますが・・・。
ここにもウリハダカエデが自生しています。里山にも至る所に自生している種ですが、偶然雌株の雌花がいい状態で咲いているのを見つけカメラに収めました。雌花といっても早落性なのか花弁はすでになく雌しべの花柱がはっきりしていて、果実になる翼がすでに発達している状態です。この段階でカエデの仲間と分かります。ウリハダカエデは雌雄異株。雄花と比較すると面白いですよ。
ヤナギランです。花があれば誰もがすぐにヤナギランといいますが、芽が出たばかりのころはなかなか難しいですね。でも、この時期もしっかり観察してやりましょう。
ヤナギランは高原の先駆植物で荒れ地や伐採した跡地に一斉に発生する性質があり、しばしば大群落を形成します。その景観の素晴らしさは多くの人が語ります。しかし、やがてシラカバなどの高木(陽樹)が進出し日陰になると消えていく運命の種です。ヤナギランの草原を維持したいなら、木本が成長しないようにせっせと刈り払ったり土地を荒らせばいいという理屈になります。
ヤナギランは高原の先駆植物で荒れ地や伐採した跡地に一斉に発生する性質があり、しばしば大群落を形成します。その景観の素晴らしさは多くの人が語ります。しかし、やがてシラカバなどの高木(陽樹)が進出し日陰になると消えていく運命の種です。ヤナギランの草原を維持したいなら、木本が成長しないようにせっせと刈り払ったり土地を荒らせばいいという理屈になります。
ヤグルマソウの生い茂る雑木林の斜面がありました。生い茂るとはいっても若芽が伸びだしている状態で握り拳を突き上げたような格好で林立しています。良く見ると折りたたまれているシワシワの葉がまるで風船が膨らむような状態でゆっくりと広がっていこうとする感じです。不思議ですね。この折りたたまれている葉は小さな「芽」の時にはすでに出来上がっていたのでしょうか?良く間違わないで折りたたみながら「芽」の中で葉を作れるものと感心してしまいます。
小さいながら一応葉が広がった状態のものも多くありました。しかし、それがほとんど暗紫色をしていますから木漏れ日の中ではあまり目立たない状態です。たくさん生えているのですが地面と同化して存在感がありません。威圧感さえある大群落の地であろうと想像するも、この季節はまるで控えめです。外敵に見つからないようにとまるで保護色になっているかのようです。どういう意味があるのでしょうか?
スキー場の滑走斜面になる草原はまだ芽の出ない荒れ野の状態ですが、アズマギクが点々と花を咲かせていました。比較的大型の花を咲かせるキク科植物で淡い桃色もいい風情。高原の春を彩ります。この種はムカシヨモギ属の一種で同じグループにヒメジョオンやハルジョオンがあります。花の大きさを除けば花の雰囲気は確かによく似ていますね。一年を通してヒメジョオンに手を焼いていますので、同じ仲間であるアズマギクが幾分j控えめでいい感じで生育しているのが妬ましい面持ちです。
舌状花が発達していて折り重なるようになっています。管状花もたくさんあり種子は沢山できそうです。寒冷地を好む種のようで山地高原に生育していますが、高山にはもっと矮性のミヤマアズマギくが生育しています。新潟県内ではアズマギクを見た記憶がありません。雪国には適応していないようです。