森の案内人 田所清

自然観察「独り言」

チョウセンゴミシ

2014年01月17日 | 自然観察日記
久しぶりにチョウセンゴミシに出会い感激!それも花の時期で、実物の花を観察できる興奮で喜色満面だったろうと思います。一人だけの散策でしたからこの喜びをだれにも伝えられなくて残念!過去に一度だけ、今から40年は経っていると思いますが苗場山のふもと秘湯赤湯温泉の奥で見たことがあります。秋でしたから赤い実がわずかにあってこの時もそれなりに興奮したと思います。植物観察会の時で他の人が見つけて教えてくれたもの。かなりの部分が標本用に採取されたあとですからまさに残り物。それはそうと、雑木林の林床に広がった地上や地下茎から各所に芽を出している状態で、その芽は蔓性でそれほど長くはなくせいぜい50cmくらいでした。この段階ではまだ他のものに絡まっているという状態ではなく地面から「毛」が生えている感じです。マツブサやビナンカズラのように厄介な蔓ではなさそうです。

チョウセンゴミシ 雄花

2014年01月17日 | 自然観察日記
チョウセンゴミシは雌雄異株。あいにく出会った株は雄株のようで花は雄花のようでした。一応近くを探しましたが雌株は確認出来ず少々残念。赤い実を薬用にすると聞いていますが長野県内には比較的自生が多いようで利用の実績もあるようです。

フデリンドウ

2014年01月16日 | 自然観察日記
フデリンドウが咲いていました。すでに6月に入っているのに、この花を見るとまだ高原は春なのだと思わされます。天候に恵まれた日でしたから目いっぱい花を開いています。ところでフデリンドウはハルリンドウとそっくり。ロゼット葉があるかないかで区別するのですが確実なハルリンドウをいつどこで見たかが思い出せません。学生の頃静岡の田舎で見たことは確実でしっかり記憶してはいます。しかし、長岡近辺では、意識を持って調べてみると全てフデリンドウでハルリンドウには未だに出会っていません。観察がかなりいい加減で気づいた時だけの観察ですから、調べは不十分。ですから何とも言えませんが、越後ではまれな種か無いのかもしれないという考えが湧いてきました。今後の宿題になります。

ベニバナイチヤクソウ

2014年01月16日 | 自然観察日記
菅平一帯はベニバナイチヤクソウの大きな群落が点在することで知られています。6月のはじめですからまだ花の季節には早いのですが、どんな種でも気の早い個体とのんびり屋がいるもので早々と綺麗な花を咲かせている個体を見つけました。イチヤクソウの仲間で群生する性質を持つのはこの種だけで何がそうさせるのか興味がりますね。いまだその解説を聞いたことはありません。半寄生植物と言われてはいるもののその仕組みも理解していません。半分であれ寄生生活を行いながら大群落を作れるメカニズムはどのようなものなのでしょうね。半寄生というのは個人的にはかなり疑問な点があります。

スズラン

2014年01月15日 | 自然観察日記
スズランが自然にある光景は不思議な感じがします。スズランは庭などの花壇ににある花という長い経験がそうさせるのでしょうが、スキー場の縁の草地に自然の物がごく普通に生えています。花を付けている株もかなりあってかなりの個体群が存在するようです。そうはいっても、貴重な高原の花で快適に生育できるようにちょっと手をかけてやってほしいとおもいました。最低、押し寄せるササを抑制するだけでも効果がある気がします。ちなみに新潟県内にはスズランはほとんど自生していません。私が知る唯一の場所が湯沢の平標山の尾根、ごく狭い場所で個体数も非常に少ないものです。スズランは長野や北海道のイメージで雪国越後の花ではなさそうです。

スズラン 群落

2014年01月15日 | 風景
雪消えが遅かったのでしょうか、雑木林に繋がる林床にまだ芽生えて間もないスズランの群落がありました。つぼみを抱いているのですがまだ外からは見えていません。他の植物の芽生えもまだで最初に芽出したのがスズランのようです。冷涼な環境で草丈が低い植物ですから、大型の種が目を出してくるより先に一時でも早く展葉し栄養を作りたいところ。時間的すみわけと考えてもいいでしょう。

ズミ

2014年01月14日 | 自然観察日記
湿原から離れて少し先のスキー場の付近に足を運んでみました。至る所が別荘地と化し斜面を横切るように道路が刻まれ家が林の隙間から見え隠れしています。幾分開けた草地にズミの木が今が盛りとばかりに花を咲かせていました。何ともすばらしい景観で何の木かと疑ったほど。陽の光をいっぱい受けて輝いています。私の経験ではズミはかなり湿り気が好きな樹木で湿原でよく出会います。しかし、ここでは緩い傾斜地で湿地を構成するほどの地形ではありません。この樹のほかにも大小いくつかの木々が点在しているところを見るとこういう環境でも良く生育するのだと思い知らされました。下草はミヤコザサでしょうか。ササ原が続いているところで家でも建てるつもりで雑木を刈り払った後、放置されたようです。察するに、このササ原は早晩、ズミの林になっていくようです。

ズミの花

2014年01月14日 | 自然観察日記
ズミは別名コリンゴといい花はリンゴの花と同じです。花の後赤い小さな実になり、食べると酸っぱくて「酢実」からなずけられていると聞きました。そういえば、幼いころに近所の庭外れにズミの大きな樹があってそこに登って実を食べた記憶があります。たくさん食べるというのではなく数個とっては味見をしては顔をくしゃくしゃにして「酸っぱい!」と言いながら友達と遊んだものでした。どうやら木登りが目的だったのかもしれません。その樹は幹回り30㎝近くはあったような気がしますが、この写真のように株状ではなく単木。花も付き方も頭にパラパラと付く感じでした。日当たりのせいでしょうか、同じズミでも樹形がかなり異なっています。

オオヨシキリ

2014年01月13日 | 自然観察日記
ヨシ原に行くと決まってこのオオヨシキリの声がします。けたたましい声ですからその存在はすぐにわかりますが、意外に姿を見ることが容易ではありません。見通しの悪いヨシ原の中にいますから縄張りを主張するには騒々しい声で主張しなければならないのでしょう。器用にヨシの垂直な茎につかまりながらヨシ原の中を移動していて時々上空を飛んではまたヨシ原に身を隠しています。鳥の専門家のFさんによればこの季節はつがいになっていて、つがいで縄張りを守っているとのこと。オオヨシキリが大騒ぎを繰り返している空間があるということはそれなりに豊かな自然があるという証ですから大切にしたい場所ですね。

オトシブミの仲間?

2014年01月13日 | 自然観察日記
いろいろな昆虫がいる中でオトシブミと思われる昆虫が目に留まりました。ゾウムシにも似て区別がくかないのですが、どうやら交尾をしている様子。なかなか観察する機会もないのでしばらく間が目ていました。頭部が著しく長いようで、ゾウムシの口吻が長いのとはことなりようです。とにかく変わった形の昆虫で、この長い頭部がどういう意味があるのか・・・。葉を切り巻くなどの作業にはこの形態が適しているのかなと思ってみました。

帰化・移入植物のいくつか ①コンフリー

2014年01月12日 | 自然観察日記
菅平湿原を取り巻いて住宅や農場などがあって園内に通じる道路沿いからさまざまな帰化・移入種が見られました。なかでもコンフリーは貴重種オニナルコスゲが生育する場所からさほど離れていなくて、かなりの個体が旺盛に繁茂していました。アシなどが生えて入るものの土壌はかなり乾燥化していて湿地状態の場所ではありません。貴重種のすぐそばというだけでなく、この湿原のど真ん中で生育している姿が気に掛かりました。駆除する必要があると思っています。
コンフリーの別名はヒレハリソウ。ヨーロッパ原産の帰化植物です。

帰化・移入植物のいくつか ②ハルザキヤマガラシ

2014年01月12日 | 自然観察日記
近年目立つ帰化植物の一つ。民家のある下手側の草地に侵入してきていました。道路のそばでもあり環境的に侵入しやすい状態ですから時間の問題であったのだろうと思います。新潟では平地の水田脇の畔などにはびっしりと繁茂している姿がみられます。幾分木々くありますからそこまでは繁茂しないかもしれませんが警戒する必要がありそうです。

帰化・移入植物のいくつか ③セイタカアワダチソウ

2014年01月12日 | 自然観察日記
半ば手の施しようがない帰化植物です。自然度の高い場所には入り込めないようですから、そういう意識で環境を保護していかなければなりません。菅平湿地の周辺化の各所に出ています。中心部にはまだ少ないようです。少ないうちに抜き取りも必要かもしれませんね。

帰化・移入植物のいくつか ④ワスレナグサ

2014年01月12日 | 自然観察日記
これも帰化植物になるのでしょう。家庭で栽培していたものが移入してきたという感じで、民家からそう遠くないエリアに一塊の群落を見ました。この種程度なら危機感もそれほど抱かないのですが、開発が進み乾燥化してきた湿地で、結構貴重な種が生育する場所ですから保護にもっと力を入れてほしいと感じてきた次第です。