アブラナ科のコンロンソウが出てきました。葉の基部が茎を抱いていませんからヒロハコンロンソウでなくコンロンソウです。新潟県内には両種があり分布はほとんど重なっていません。長野県との県境の山奥の沢にはヒロハコンロンソウが生育していますが、コンロンソウは多くは阿賀野川沿いや県北の低山帯にみられというような大まかな特徴があります。詳細に調査を行わなければ確かなことは言えませんが、ここ長野の菅平ではコンロンソウのエリアとすれば、新潟-長野の県境の山塊を挟んでの分布となります。ちょっと興味のある現象で、両種の特徴と環境の差異を考えるヒントになるかもしれません。
アブラナ科の花であることは一目瞭然です。でも花だけ見ても、このグループの種を特定できるほど力はありません。むしろ葉の方が分かりい種かもしれませんね。コンロンソウの意味があやふやなので調べると、やはり雪をいただく崑崙山脈とのイメージが重なるということからなのだそうです。名づけの親の想像力の豊かなことに感心します。
山菜のセリと間違えて中毒を起こすと警告されてはいるもののいままで写真でしかお目にかかったことがない種です。いろいろなところに行っては観察をしてきたつもりでも初めて出会う種がいかに多いことか・・・。行動範囲が越後から近県に及ぶにつれますますそういう種が多くなります。ドクゼリも県内にはあるはずなのですが、見過ごしてきたようです。
ドクゼリの最大の特徴はこの塊茎にあると思います。葉を見てもセリとは異なるので「あれ?」とは思いますが、塊茎が目に入った途端、実物は初めてではありながらドクゼリと分かりました。図版などでインプットされていたようです。この写真では分かりにくいところがありますが節のある太い塊茎です(塊茎は緑色をしているのですが、藻も付着しています)。そこから出ている根も特徴的です。確かにセリと同じような環境に生育していますから、セリと間違えて採集することはあるかもしれません。猛毒の種だそうですから「塊茎があるセリ」は食べるな!ですね。
これも小さな可愛い花。しかし、タニギキョウは見慣れている花。越後でも山地の幾分湿った林床に見られます。多い種でないと思いますが、初めて出会う種が多い中で知っている花が出てくるとどことなくホッとした面持ち。菅平と越後では距離的にはそれほど離れているという場所ではなくざっくりいえば同じエリアかもしれません。しかし、生育する種をみていると微妙な環境の差異があってそれを選びながら生育している・・・。ある程度の適応範囲がある訳ですが、そこを選んで生育範囲を拡大していくとした場合、それぞれの種の戦略が時の環境変化との関係で上手く適応して生育するかしないかがきまる・・・。面白いですね。植物のそれぞれの分布を考えていくとき、付随する様々なことが考えられますから興味が尽きないテーマになっています。
林床に小さなかわいらしい花がありました。クルマバソウです。ヤエムグラやクルマバソウの仲間もなかなか識別が難しいグループです。こういう環境では新潟県内ではオククルマムグラが良く出てくるのですが、あきらかな差異があり持ち帰っての調べになりました。良く似た種でクルマムグラというのもあり、この三種を見極めるにはかなりの訓練が必要なようです。新潟県内で良く見かけるオククルマムグラと比較すると、茎に棘状毛がなく葉にも毛がなくやや尖り気味。小さな種ですから表舞台にはなかなか出てこない感じでついつい見逃してしまっていました。私は、新潟県内では見た記憶がなく、この種もミヤマザクラと同じように多雪地域は進出していないのでしょうか(資料では新潟県内にもわずかにあり、県境や阿賀野川沿い・佐渡などで記録されていました)。
謹賀新年。振り返れば昨年は日々の生活こそ表向きあまり変化がないように見えるかもしれないのですが、やはり大きなうねりの中にあった年でした。うねりから抜け出し今年こそはと心を新たにしてはいますが、引き続きもうしばらくはゆられそうな年。目の前の課題を一つ一つ解決する姿勢で日々を送る以外にはないですね。ブログも9年を迎えます。眼力を落とさないようにと自分のために始めたのですが、確かに書くことによって新たな気付きがあり老化防止にはなかなかいい方法だと思っています。いつまで続くのか・・・?一日一日を積み重ねていくだけですね。
今年はミヤマザクラからスタートです。菅平の湿原遊歩道わきにありました。初めて見るサクラで、越後には自生していないと思います。一見して桜という感じではなく、スモモの系統かな?と思ったくらいで持ち帰っての調べで、ミヤマザクラと知りました。一応サクラ属です。最も遅く咲く種で葉が展開したと花を見ます。ここに自生していた数本の個体はそれほどの大木ではありませんでした。二次林的な環境のようですがそれほど成長は早くなく大木にはならない種のように思いました。
今年はミヤマザクラからスタートです。菅平の湿原遊歩道わきにありました。初めて見るサクラで、越後には自生していないと思います。一見して桜という感じではなく、スモモの系統かな?と思ったくらいで持ち帰っての調べで、ミヤマザクラと知りました。一応サクラ属です。最も遅く咲く種で葉が展開したと花を見ます。ここに自生していた数本の個体はそれほどの大木ではありませんでした。二次林的な環境のようですがそれほど成長は早くなく大木にはならない種のように思いました。