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『旭山動物園物語 ~ペンギンが空をとぶ~』 0点

2009-11-05 21:42:46 | goo映画レビュー

旭山動物園物語 ~ペンギンが空をとぶ~

2008年/日本

ネタバレ

マキノ雅彦がいなくても日本映画は大丈夫

総合☆☆☆☆☆ 0

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 この作品を観るつもりはなかったのであるが、たまたまマキノ雅彦監督全3作品が上映されていて、この『旭山動物園物語』を絶賛していた文章を読んでしまったので観てしまったのである。まずはその文章を抄録しておきたい。
 「(・・・)津川さんは、映画監督としてはマキノ雅彦として活動されていますが、そのマキノ雅彦の第三作『旭山動物園物語 ペンギンが空を飛ぶ』が公開されました。映画ファンを唸らせた傑作『寝ずの番』、叔父である名匠マキノ雅弘への鮮やかにして感動的なオマージュ『次郎長三国志』の次の作品が、動物園をテーマとするときいた時、実は少しガッカリしたのですが、大変な間違いでした。前二作をはるかに上回る、大名作です。この作品をもって、マキノ氏はその圧倒的な資質の高さ - どんな監督だって、ルビッチであれ、ワイルダーであれ、ヒッチコックであれ、なかなかデビューから三作連続して傑作を世に問えるものではありません - を証明しました。現役最高、というだけでなく、マキノ雅彦がいるかぎり日本映画は大丈夫、と思わせてくれるものです。(・・・)
 物語は、御存知、北海道旭川の旭山動物園が廃園の瀬戸際から、日本一の入場者数を誇るほどになるまでのストーリーですが、低迷期をじっくり描いていて、たんなる成功譚にしていません。ドラマは、成功にいたるまでの苦闘ではなく、飼育係や園のスタッフ、個々人の葛藤、その人生と人間性の発露を通して形成されています。その点で、これまでのマキノ作品と同様に、一人一人の役者さんの力量とセンスが存分にひきだされています。(週刊新潮 2009.2.26 号 P.118 - P.119)」
 この文章は「『マキノ雅彦』第三作に唸る」というタイトルの文藝評論家の福田和也氏の‘闘う時評’なのだが、私にはどう頑張っても『寝ずの番』が傑作だとは思えないし、『次郎長三国志』がマキノ雅弘へのオマージュに足りうる作品になっているようには見えなかったし、当然『旭山動物園物語』が前二作をはるかに上回る、大名作には見えなかった。ましてそのレベルの尋常ではない低さ故にマキノ雅彦をルビッチやワイルダーやヒッチコックと比べるという発想さえ抱けなかった(確かに『旭山動物園物語』の最後でヒッチコックのようにマキノ雅彦がちらっと出演してはいたが)。
 『次郎長三国志』がオマージュになれなかった理由は時代劇でメインとなる殺陣のシーンの貧相さにある。殺陣のシーンを叔父のように上手く撮れないということはマキノ雅彦本人も自覚はしているようで、殺陣のシーンはハンディカメラで近接で撮られていて、決して俯瞰から撮られることはない。しかしそれでは当然シーンのダイナミズムはそがれてしまう。特に次郎長が森の石松の頭に刀を振りかざすシーンには全く緊張感がなく無残としかいいようがなかった。
 『旭山動物園物語』の酷さはひとえにシーンの繋ぎの悪さにある。『寝ずの番』はある種、密室劇であったからまだ気にならなかったが、物語の展開が激しくなるとシーンの繋ぎ方のぎこちなさが気になって余韻に浸ることができない。シーンの繋ぎの悪さに引っ張られるように物語内容もご都合主義で粗くなっていくように見えた。
 福田和也氏は「(西田敏行の)ラストシーンの後ろ姿は、ちょっと見物です」と書いている。確かに‘見物’ではあった。何故か最後の方は西田敏行しか出演してなくて、最後は誰にもらったのか分からない花束を抱えて誰にも見送られることのないまま一人で動物園を後にするのである。これでは動物園の運営に失敗した園長が‘下野’しているようにしか見えない。それまで描かれていた園長の東奔西走はいったい何だったのか!?
 動物園をテーマにした理由は恐らく子供ならば騙せると考えたのだと思う。福田和也氏は「マキノ監督は、映画を十本撮りたいと明言しています。という事は、あと七本は楽しませて貰えるわけですね。」と文章を締めているが私はもう子供ではないのでマキノ雅彦監督の新作を見るつもりはない。


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バラエティー番組は深夜が面白い

2009-11-05 00:04:14 | Weblog

変わるバラエティー番組 毒より知識 お役立ち系続々(産経新聞) - goo ニュース

 最近のバラエティー番組は本当につまらなくなってしまった。時にテレビ朝日は

零時過ぎのバラエティー番組を全て撤廃して緩いランキング番組にしてしまった。

お笑い番組が“毒より知識”にシフトしているというよりも、番組を安く制作できて

誰にもクレームをつけられないからクイズ番組になっているということだと思う。

それに最近のトーク番組など商品を紹介することが多くなっているのも気になる。

トーク番組なのか通販の番組なのかわからないくらいのものもある。はっきりと

言えることでゴールデンで放送されているバラエティー番組より深夜に放送されて

いるバラエティー番組の方が確実に面白い理由は、やはりゴールデンでの放送

には多少の自主規制があるためだと思う。絶対にゴールデンで“椿鬼奴クラブ”

(テレビ朝日「アメトーク」)など放送できないのだから。


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