あなたは私の婿になる
2009年/アメリカ
本物の強さ
総合
80点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
プロモーション上仕方がないのかもしれないが、この作品の2人の主人公はマーガレットもアンドリューも別に結婚したかったわけではないので、‘婚活ブーム’とは全く関係がないし、結婚自体もメインテーマではないと思う。
この作品のテーマは‘強さ’だと思う。ニューヨークの出版社のやり手編集長の40歳のマーガレットは部下から恐れられてはいるが、本当に強い人間はむしろその鬼編集長に3年間もアシスタントとして務めているアンドリューの方であろう。
家族に恵まれなかったマーガレットの強さは彼女が一人で生きていくために自分自身で作り上げたものである。他方アンドリューの強さはアラスカで暮らしている家族によって育まれたものである。どちらの方がより強いのかは言うまでもない。実際、マーガレットはアラスカに着いて環境が一変したとたんに満足に歩くことさえできなくなる。しかしマーガレットはアンドリューの家族と過ごすうちに‘偽りの強さ’から脱却して改めて強さを養うことになる。だからカナダ出身のマーガレットが似たような環境であるはずのアラスカの家族に‘育てられる’ことは偶然ではない。
マーガレットは本当に強くなれたからこそアンドリューと別れることができて、本当に結婚することができたのである。その人が強いことと見かけとは全く関係がないのである。
光市事件実名本、元少年が提訴 出版差し止めなど求める(朝日新聞) - goo ニュース
いつまで元少年はこの様に日本国民に実名の“知らない振り”を演じさせるつもり
なのであろうか? いまや多くの国民が元少年の実名が福田孝行であることは
分かっているわけだし、出版を差し止める仮処分申請など申し立てればこの本の
宣伝になるだけであろう。それに『福田君を殺して何になる』という著書は福田君を
擁護する立場で書かれているのだから、後が無くなった福田君にとっては渡りに船
のはずなのである。もしかしたらこの“渡りに船”であることが分かっている上で、
福田君は敢えて出版を差し止める仮処分申請をすることで本を宣伝しようという
意図なのかもしれない。そうなると福田君は本当の意味で大した玉である。
沈まぬ太陽
2009年/日本
土壇場で怯んでしまったのか?
総合
80点
ストーリー
0点
キャスト
0点
演出
0点
ビジュアル
0点
音楽
0点
この作品の物語に関することは既に多く議論されているようなので、ここではイメージの使われ方について論じておきたい。
作品の冒頭、主人公の恩地元はナイロビで猟をしている。そして彼に向かってくる巨大な象を撃ち殺す。その後の物語の展開から判断するのならば、このイメージは恩地が自身が属している巨悪と化した国民航空と戦う決意を暗示しているはずである。
そしてラストシーンで恩地は再び辞令でナイロビに赴くのであるが、その時は彼はもう狩猟はしていない。ただ様々な困難を乗り切って人生を達観した恩地が夕暮れ時のアフリカの大地の野生動物たちを見守るだけである。
ここのイメージのつなげ方には瑕疵があると思う。これでは巨悪と戦っていた恩地だが、ナイロビでは野生動物たちにとっては恩地(=‘世界で一番凶暴な動物’)が巨悪と捉えられてしまう。それは恩地の個人的な懺悔と見做されてしまい、この作品の集団としての権力構造の腐敗体質の告発意図が薄れてしまっている。
つまり土壇場になって日本航空の批判をかわすために安易な‘悟り’でまとめてしまった印象が拭えないのである。3時間22分の大作なのに残念な仕上がりになってしまったが、見ごたえは十分にあるということだけは言い添えておきたい。