原題:『傷だらけの悪魔』
監督:山岸聖太
脚本:松井香奈
撮影:ナカムラユーキ
出演:足立梨花/江野沢愛美/加弥乃/岡田結実/小南光司/川原亜矢子/宮地真緒/芋生悠
2017年/日本
「新学期・操行ゼロ」の生徒たちについて
父親の仕事の都合で東京から栃木県の田舎の高校に2016年9月12日という半端な時期に転校してきた主人公の葛西舞は運の悪いことに中学生の時の同級生で、舞の友人たちに酷いイジメを受けていた小田切詩乃と同じクラスになってしまい、詩乃の復讐に遭ってしまう。
いくらポップな演出が施されているとはいえ、やはりイジメがテーマである以上なかなか大衆受けする作品とは言えないのではあるが、主人公の葛西舞を演じた足立梨花の熱演は高く評価されるべきもので、誰か賞をあげて欲しい。
イジメの根本的な問題は誰もが傍観者になってしまうことだという本作のメッセージは最もなのであるが、実はさらに問題なのはイジメというどさくさに紛れている本物の「殺意」であるというラストシーンは興味深い。そもそも誰が「傷だらけ」なのかは外見では分からないのだから。