原題:『Virus』
監督:深作欣二
脚本:深作欣二/高田宏治/グレゴリー・ナップ
撮影:木村大作
出演:草刈正雄/緒形拳/夏木勲/千葉真一/多岐川裕美/オリヴィア・ハッセー/ジョージ・ケネディ
1980年/日本
1980年の邦画の「ターニングポイント」について
矢口史靖監督の『サバイバルファミリー』(2017年)と対をなすような作品が、話のスケールが大きすぎて制作費が追い付かなかったSF作品『復活の日』と言って差し支えないと思う。とりあえずヒットはしたものの製作費や宣伝費で結局赤字だった上に、映画批評家からも認められなかったらしいのであるが、日本の資本で多くの外国人俳優が集う当時のハリウッド映画と遜色が無い作品を撮りあげた深作欣二監督の手腕は高く評価されるべきもので、今となっては考えられない企画を立案したプロデューサーの角川春樹の蛮勇も無視するわけにはいかないだろう。アメリカの映画監督が引き受けなかった理由は、ストーリーの規模の大きさで失敗する可能性が高かったからなのではないだろうか。
そういう意味では、フランシス・フォード・コッポラやジョージ・ルーカスが外国版のプロデュースを担った黒澤明監督の『影武者』が邦画配給収入で1位になり、本作が2位となった1980年は邦画のターニングポイントだったのかもしれない。それはもはやハリウッド作品には勝ち目がなくなった邦画の「敗北」という意味である。