MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『ランボー ラスト・ブラッド』

2020-07-08 00:57:24 | goo映画レビュー

原題:『Rambo: Last Blood』
監督:エイドリアン・グランバーグ
脚本:シルヴェスター・スタローン/マシュー・シラルニック
撮影:ブレンダン・ガルヴィン
出演:シルヴェスター・スタローン/パス・ベガ/セルジオ・ペリス=メンヘタ/アドリアナ・バラザ
2019年/アメリカ

ランボーの「老い」について

 驚くべきストーリー展開だった。主人公のジョン・ランボーが一緒に暮らしているマリア・ベルトランの孫娘のガブリエルが実父に会うために訪れたメキシコで誘拐され、ガブリエルを取り戻すためにメキシコの麻薬カルテルに単身で乗り込む。ウーゴとビクトルのマルティネス兄弟がボスとして君臨している組織のアジトの屋上でランボーは組員たちに取り囲まれるのであるが、普通ならば何か手を打った上で乗り込んだのかと思いきや、そのままボコボコにされてしまってノープランだったことに思わず笑ってしまう。
 あるいはせっかく救ったガブリエルを車に乗せてアメリカに戻るものの、麻薬漬けにされていたガブリエルは途中で亡くなってしまうのであるが、まずは偶然知り合ったジャーナリストのカルメンを通じて医師に診せるべきなのである。
 しかし行動が不審なのはランボーだけではなく、ランボーをボコボコにした後に、何故か止めを刺そうとする弟のビクトルを兄のウーゴは制止するのであるが意図は不明で、結局は派手なクライマックスを描きたかっただけのような気がしてならない。ランボーもウーゴたちもいとも簡単にアメリカとメキシコの国境を越えてしまうところは皮肉が込められて面白かった。
 ランボーが好んで聴いているザ・ドアーズの「ファイヴ・トゥ・ワン」を和訳してみる。本作が『ランボー』シリーズの第5弾ということで「原点回帰」という意味も込められているかもしれないが、ランボーがガブリエルを助けに行くというストーリーの基本モチーフはこの曲から来ているような感じを受ける。それにしても動画サイトにドアーズのオフィシャルサイトがいまだに存在しないのは何故なのか?

「Five to One」 The Doors 日本語訳

さあ、来いよ
愛しているよ
彼女は良さそうだ
来いよ
もう一度

5本指を一つにしよう
握って一つの拳を作るんだ
誰もここから生きては出られない
おまえはおまえの拳を作れ
俺は俺で拳を作るから
俺たちが試してみるならば上手くいくよ

年寄りは老いる一方で
一週間かそこらで若者はより強くなる
奴らは銃を持っていたが
俺たちには仲間がいたから勝てるだろう
俺たちが支配することになるんだ
さあ、始めよう

おまえたちの「バブル」の日々は終わったんだ
夜をそばに引き寄せながら
晩年の影が年月を越えてのろのろ這って来る

花束を手にして
おまえは誰も理解してくれないと俺に言うために
部屋を横切って歩いてくる
おまえは一握りの10セント硬貨のために時間を手放す
俺たちは全盛期なのだから上手くいくよ

もう一度一緒にやろう
もう一度一緒にやろう

来いよ
俺はそんなに長くおまえを待たせたりしないよ
俺はもう少しでそこに着くよ
俺はこの車であいつらと一緒に出かけなければならないんだ

もう一度一緒にやろう
もう一度一緒にやろう
俺の部屋でおまえを抱き上げる
愛しているよ
彼女は良さそうだ
本当に良さそうだ
愛しているよ

Jonah Ramirez - Five to One (The Doors Cover)


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