原題:『The Personal History of David Copperfield』
監督:アーマンド・イアヌッチ
脚本:アーマンド・イアヌッチ/サイモン・ブラックウェル
撮影:ザック・ニコルソン
出演:デヴ・パテル/アナイリン・バーナード/モーフィッド・クラーク/ピーター・カパルディ
2019年/イギリス・アメリカ
極めて解消の困難な苦い経験について
言わずと知れたイギリスの文豪であるチャールズ・ディケンズの『デイヴィッド・コパフィールド』が原作の映画がつまらない訳がないはずで、批評家の受けも良いのだが、どうも個人的にはそれほど面白く感じなかった原因を鑑みるならば、文庫本で4冊ある長編小説を約2時間でまとめたためにダイジェストを観ているような錯覚に陥ったからで、あらかじめ小説を読んでいれば楽しめたのかもしれない。
それにしてもこの手の作品を観て思うことは、主人公のデイヴィッド・コパフィールドは最終的に作家になってそれまでの苦い経験をお金に変えることができたから報われたわけであり、文才の無い多くの者たちにとって苦い経験は苦いままであるという厳しい現実である。