MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

「Il n'y a pas d'amour heureux」 Françoise Hardy 和訳

2021-03-12 19:13:52 | フレンチポップ

Françoise Hardy "Il n'y a pas d'amour heureux" de Georges Brassens (live officiel) | Archive INA

 『幸せな愛などない』はフランスの詩人であるルイ・アラゴンが1943年1月に書き

翌年に出版した詩集『フランスの起床ラッパ(La Diane française)』に収録された後、

1953年にフランスの歌手のジョルジュ・ブラッサンス(Georges Brassens)によって

メロディーが加えられ、その後多少歌詞を変えながら様々な歌手によってカヴァーされるに

至った。ここではフランソワーズ・アルディー(Françoise Hardy)のヴァージョンを

和訳してみる。

「Il n'y a pas d'amour heureux」 Françoise Hardy 日本語訳

人間が獲得し得たものなどなにもない
自分の強さも弱さも心でさえ
自分では両腕を広げたはずなのに
その影はまるで十字架のようで
自分では幸せを掴まえたかったのに
潰してしまうのである
人生とは奇妙なもので無惨に引き裂かれている
幸せな愛などない

人生とは武器を持たない兵士たちに似ている
本来とは違う運命のために彼らは制服を着せられていた
朝に起床することが何の役に立つというの?
夜になると武装解除され立場があやふやになるというのに
我が人生よ
この言葉を唱えて涙を堪えよう
「幸せな愛などない」と

我が美しき愛、我が大切な愛、我が裂傷よ
私はあなたを傷ついた鳥のように胸に抱く
私が編み出した言葉を私の後に復唱しながら
気付かずに彼らは私たちが通りすぎるのを眺めていて
あなたの大きな目に見つめられた途端に死んでしまう
幸せな愛などない

生きることを学ぶには
時既に遅きに失し
戦慄を押し付けられるために後悔しなければならず
くだらない歌のために不幸にならなければならず
フォークソングのために嗚咽しなければならず
だから夜になると私たちの心は一斉に泣く
幸せな愛などないのだから

 しかし元々はフランスの詩人のフランシス・ジャム(Francis Jammes)の、「木の葉をまとった教会

(L'Église habillée de feuilles)」という詩に「祈り(La Prière)」というタイトルを付けていた曲に

アラゴンの詩も上手く当てはまったということで作られたという経緯がある。和訳はしないけど、

「祈り」から「幸せな愛などない」という振り幅が凄いと思う。何があった?

Georges Brassens - La prière


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