MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

『さらばバルデス』

2021-03-09 00:31:39 | goo映画レビュー

原題:『Chino』
監督:ジョン・スタージェス/ドゥイリオ・コレッティ
脚本:ジョン・スタージェス/クレア・ハフェーカー
撮影:アルマンド・ナンヌッツィ
出演:チャールズ・ブロンソン/ジル・アイアランド/マルセル・ボズフィ/ヴィンセント・ヴァン・パタン
1973年/イタリア・フランス・スペイン

14年後の「混血児」の末路について

 『ガンヒルの決斗』(1959年)の主人公であるマット・モーガンにはピーティという幼い息子がおり、まるで14年後にジョン・スタージェス監督が撮った本作の主人公であるチノ・バルデスがその息子のその後のようなストーリー展開であることを検証してみたい。
 主人公のチノ・バルデスは白人とネイティブアメリカンの混血のカウボーイで放牧しながら「バルデス馬」を育てている。チノは放浪しながら自分の家にたどり着いてきたジェイミー・ワグナーという白人の少年を助手として迎えて一緒に暮らすことになるのだが、チノが住む土地を牛耳る地主のマラルには嫌われ、チノがマラルの妹のキャサリンと付き合うようになると追い出そうと画策する。
 結果的にチノは飼っている馬を全て解き放った後に、ジェイミーを独り立ちさせて自分の家に火を放ち「都落ち」するのである。やはり白人とネイティブアメリカンは理解し合えないという結論が悲しいのであるが、本作にアメリカ資本が入っていないという事実が悲しみに拍車をかける。


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