原題:『Forbidden Planet』
監督:フレッド・M・ウィルコックス
脚本:シリル・ヒューム
撮影:ジョージ・J・フォルシー
出演:ウォルター・ピジョン/アン・フランシス/レスリー・ニールセン/ウォーレン・スティーヴンス
1956年/アメリカ
叛乱する機械に必要な知性について
人類に対する「機械」による叛乱は『2001年宇宙の旅』(スタンリー・キューブリック監督 1968年)の「人工知能HAL(ハル)」以前に既に本作で描かれている。
本作の舞台となるアルタイ第4惑星にはかつてクレール人と呼ばれる先住民がいたものの、突然滅亡した原因は、彼らの高すぎる知性が彼らの潜在意識を現実化してしまい、お互いの憎しみが殺し合うことになったのである。
20年前に地球から移住してきた地球人たちがエドワード・モービアス博士と娘のアルティラを残して絶滅した原因もエドワードの突出したIQの高さによりクレール人と同じことが起こったからである。
『ウエストワールド』(マイケル・クライトン監督 1973年)に足りないものとはこのような「機械の動機」であり、動機とは得てして高度な知性の暴走にある。それでもアンドロイドのユル・ブリンナーには狂気を感じるものの、作品全体の印象がバグレベルを超えていないと思う。