原題:『サイレントラブ』
監督:内田英治
脚本:内田英治/まなべゆきこ
撮影:木村信也
出演:山田涼介/浜辺美波/野村周平/吉村界人/SWAY/中島歩/円井わん/辰巳琢郎/古田新太
2024年/日本
『街の灯』の「リメイク」について
最初からずっと違和感を抱いたまま観賞していた。つまり主人公で音大生の甚内美夏は交通事故に遭遇し、白内障と網膜剥離を患ってしまい現在は経過観察中ということならば、当然目が回復するまでサングラスはしていなければならないはずなのだが、もちろんサングラスをしてしまうとヒロインを演じる浜辺美波の顔が隠れてしまい、「映画」としては台無しになってしまうがためにサングラスをさせなかったものの、その分リアリティを削いでしまうことは避けられない。リアリティを削いでまで監督が描きたいことが何なのか分からなかったのである。
その違和感はラストシーンでようやく晴れた。内田監督は『街の灯』(チャールズ・チャップリン監督 1931年)のラストの「後味の悪さ」を「トーキー映画」でブラッシュアップするという野望があったのではないだろうか。しかし『街の灯』のヒロインである花売り娘は元々盲目であり、美夏の盲目になりかけている状態とは違うのだから、ストーリー設定が甘いとしか言いようがない。
Charlie Chaplin - City Lights ending
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