原題:『夜の法則』
監督:山下洋助
脚本:山下洋助
撮影:山田紘子
出演:吉田譲/植勝正/崎田莉永/小野孝弘/藤岡晋介/奥村かおり/川原井利奈/下山繁紀/新井まゆ子
2013年/日本
混乱した「夜の法則」について
主人公はアルバイトで夜間の警備員をしており、同僚の社員に正社員として働かないかと誘われるものの断ってしまう。
そんなある時、警備をしている大学で不審者を目撃し、以前人体実験を受けた時の女子大生が狙われていることを知る。ここまでの演出は『裏窓』(アルフレッド・ヒッチコック監督 1954年)や『汚れた血』(レオス・カラックス監督 1986年)などのオマージュなどが散見されて良かったのだが、その通り魔に主人公が襲われて頭を殴られ行方をくらませてからストーリーが混乱し出す。
その後は女性の家を物色する通り魔の行動がメインになるのだが、襲われて失踪していた主人公が自宅の風呂に浸かっているシーンが急に挟まり、それまでどこにいたのか明かされないまま、やがて通り魔と主人公がある女性の自宅で鉢合わせになるのだが、ちょうど帰宅してきた女性は二人を見ても叫ぶこともなく傍観しているだけで、取っ組み合いながら二人が女性の家を後にするのである。まるで時間がなくて作品の後半を急いで撮ってなんとかまとめたような感じである。