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原題:『A Beautiful Day in the Neighborhood』
監督:マリエル・ヘラー
脚本:ミカ・フィッツァーマン=ブルー/ノア・ハープスター
撮影:ジョディ・リー・ライプス
出演:マシュー・リス/トム・ハンクス/クリス・クーパー/スーザン・ケレチ・ワトソン
2019年/アメリカ
聖人君子過ぎる主人公について
本作は興行的に成功し批評家の評価も高い。確かに実在した主人公のフレッド・ロジャースは子供向けテレビ番組シリーズ「Mister Rogers' Neighborhood」 でアメリカでは絶大な人気を博し、映画で描かれているように素晴らしい人格者であるならば批判はしにくいとは思う。
しかし本作はロジャースを取材した雑誌「エスクァイア」の記者であるロイド・ヴォーゲルと彼の父親のジェリーとの葛藤に焦点が絞られており、ロジャースに関することは既に知られている範囲でしか描かれていないのである。例えば、ロジャースと彼の2人の息子との関係はどうだったのかなど彼のプライベートが描かれていないのは、逆にタブー視されているのだろうか? 辛うじて終始ロジャースが醸し出す「暗さ」が批評的ではある。