痛飲したわりにはすっきり目覚めた。いい酒は残らないのだ。散歩の帰り道、行商人が魚を並べていた。
「今日は何がええの」
「小フグ、エビ、アジ…私が作った熟し柿、ピーマン」
「フグ鍋にするかな~」
「鍋にしてもええし、揚げても美味いで」
「ほんならフグとエビと柿にするわ」
「エビは仰山いろう。×●●●円分入れたげる」
「…(そんなにいらんぞ。まあ言わんとこ)…」
「日曜は祭りじゃろ。このエビで、ばら寿司作りぃ」
「うん、そうするわ」
婆さんの押しに負けて要らんものまで買ってしまった。エビは食塩水で洗って半分を塩茹でに、残りを(かき揚げ用に)冷凍した。