東京メトロ日比谷線「三ノ輪」駅下車。日本堤を目指すが、案の定道に迷う。土地勘が無いのは本当につらい。時間だけが無駄に過ぎてゆく。焦った私は薬屋の年寄りに道を尋ねることにした。
「日本堤の天ぷら屋へはどう行けばいいですか」
「えっ。あんな不●い所に食べに行くのかい。他に美味い所はいくらでもあるのに…あすこは天ぷらが大きいだけだよw」
「…そうなんですか。まあ一応自分の舌で確かめてみます」
「ほんとに行くの。…(やめときゃいいのに物好きな男だ)…」
年季の入った建物に辿り着いた時、待ち客が既に3人いた。11時20分に中に通され、飯と天ぷら(中)をたのんだ。他の客はことごとく天丼を注文していた。味は老人の忠告通りだった。メディアで採り上げられているのが美味いとは限らないのだ。
しょぼい見返り柳がある吉原大門から五十間通りを歩いて千束四丁目に入る。時代は変わってもオ◆コ産業がしのぎを削っているのは昔と同じである。通りには悪党面の男達がウジャウジャいる。赤線時代の古い建物がポツポツと残っていることに驚く。
竜泉三丁目の一葉記念館を見学し、『吉原今昔図』と『上野周辺散歩マップ』を購入した。駆け足で一葉旧居跡碑→飛不動→吉原神社→吉原弁天池跡を回った。散歩マップをもっと早く入手しておくべきだったと後悔した。