中区袋町のまちづくり市民交流プラザの4階で展示会が行なわれている。11月4日が最終日(10時から18時まで)。
敗戦色が濃厚となった時期の展示品は特に見ておく価値がある。虎の模様の千人針、防空頭巾にもんぺ、防空壕の写真、米軍が撒いたビラなど。
昭和19年から20年にかけて全国の主要な都市は無差別爆撃によって壊滅的な打撃を受け、多くの死傷者を出した。薄汚れた戦災孤児が靴磨きをして生計をたてる写真は考えさせられる。絶望の中でも必死になって生きようとするたくましい姿、これが日本を急速に復興させた原動力だったのだと思う。
戦前の教育はすべて悪いという「短絡的かつ病的な極左思想」や「愛と平和という安っぽい理想」だけでは正しい歴史認識は生まれない。戦争に負けたからといって品格やプライドまで捨てることはなかったのではないか。

市民交流プラザの入口付近に旧元安橋の欄干が墓石の如く置かれている。原爆の凄まじい威力によって落下し、これは元安川から引きあげたものである。
