寮管理人の呟き

偏屈な管理人が感じたことをストレートに表現する場所です。

「瀬戸内いのちのうみ~里海は守れるか~」NHK広島

2009年04月25日 | 日記
懐かしい先生の姿を発見し、最後まで「ふるさと発スペシャル」を見た。番組は三部構成になっていた。

第一部:豊かな里海(現役漁師の資源保護への取り組みなど)
第二部:里海に忍び寄る「異変」(干潟の減少や海砂採取による悪影響)
第三部:里海「再生」への取り組み例(山口市の椹野川河口)

私が最も関心を持ったのは第三部だった。かつて椹野川河口の干潟はアサリの宝庫だったが、まったく獲れなくなった。干潟で60年にわたって漁をしてきた岩本和美さんは大雨が降るたびに大量の土砂が川に流れ込むことに注目し山に入った。

水源地の山林は荒廃していた。地面に日光が届かず下草がほとんど生えていない状況を知り、9年前から漁師仲間と植林を行ってきた。海の再生にはまず山の再生が必要と考えたのだ。

また一般市民と共に生物がいなくなり固くなった干潟を掘り返し酸素を送り込む運動にも取り組んだ結果、今では徐々にアサリやシャコが増えてきている。稚魚が成長する藻場(アマモ)も最盛期の五分の一(140ha)にまで回復した。

岩本さんが「豊饒の海を暗黒の海にしてはならない」と語っていたのが印象に残る。一旦自然を壊すと回復までには気の遠くなるような時間がかかることを如実に示していた。

「人の手を加えすぎるのが問題」なのは料理においても同じだ。

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コメント
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