(石畳の電停にて@横浜市電保存館)
えー、とりあえずお盆の関西遠征の話を長々と書き過ぎたせいですっかりご無沙汰となってしまいました。まあ関西遠征の後は特に鉄活みたいなものもやってなかったんでさ。んで、世の中既にシルバーウィークなんてものになってまして、いやあ久々に天気の良い連休でそれは結構な事なのですが、出掛けようかなあとちょっと家を出てみただけで普段混まない近所の交差点ですら満足に抜けられませんで、あまりの出足に閉口してしまいましたよ。ってな訳でここでは先日訪問して来た横浜の市電保存館のお話なんぞを。いや、最近子供を連れて出掛ける場所のネタにもほとほと困ってしまって何だかマニアックな場所へ行ってしまったのだが…
この市電保存館は、横浜市の交通局が運営している公設の施設。横浜市の磯子区は滝頭という非常に行き辛い場所にある。元は市電の滝頭営業所、現在もここには横浜市バスの営業所があるのですが、営業所の脇に建てられた市営住宅の1Fに、在りし日の横浜市電の車両が保存されております。
屋内・空調完備と言う環境以上に静態保存の車両の具合は非常に良く、しかも全ての車両について車内に入ってその様子をつぶさに見る事が出来ます。古い木造車両の飴色の板張りやシートの背摺りの侘び具合、正直横浜市電には何の知識も持ち合わせてはいないけれど、これを大人入場料100円で見せてくれると言う事に感謝せにゃなりませんなあ、という感じ。
横浜市電は明治37年に神奈川~横浜(現桜木町)が開業したのを皮切りに、昭和30年代に最盛期を迎え、モータリゼーションの波に押されて昭和47年3月末にて全廃されました。そして同年の秋に市電に代わって横浜市営地下鉄が伊勢崎長者町~上大岡間を開業。市交通局の事業は軌道線から地下鉄線にチェンジする事になります。
建物の柱には当時の電停に張られていたであろうホーロー引きの看板。「間門」とかヨソもんには全く分からない地名だろうけど、ハマっ子には本牧の西端、本牧の街ん中を走って来た道と三渓園へ向かう道が合流して、根岸へ向かう交差点の名前としてお馴染みでしょう。個人的にも以前この辺りで仕事をしていたので非常に懐かしい。
おそらくほぼ全盛時に近い横浜市電の路線図。北は東神奈川を通って六角橋、西は保土ヶ谷・弘明寺駅前、南は三渓園を通って杉田までと非常に大きなネットワークを持っていたことが分かります。この路線図では既に廃止済みなのか載ってませんが、青木橋から第一京浜を通って生麦まで行く路線もあったらしい。今は市営バスがカバーしてるけど、本牧とか久保山とか伊勢町とかこの滝頭とか、正直今でも市電が走ってたら便利だったんじゃないかなあと妄想したりする。特に本牧なんか、横浜市が地下鉄を本牧に延伸する話があったのに行政がやらずじまいですからねえ。